マブラヴ
0858話
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「頭部にあるバルカンも口径で言えば75mmだから、この世界の突撃砲よりも威力は上だしな」
「……凄いじゃない。凄い、凄い、凄いわよこれ! アクセル、これ本当にあたしにくれるのね!」
ストライクダガーを貰えるというのを理解した夕呼が狂喜とすら言えるような態度を示す。勿論科学者である以上、純粋に戦力として喜んだ訳では無いだろう。幾ら戦術機に比べて性能が高いと言っても、所詮は1機でしかない。あるいはシャドウ並の性能があれば話は別だが……
いや、その場合はわざわざ譲渡はしなかっただろうな。
ともあれ夕呼が喜んでいるのは、純粋に未知の技術を入手出来るからか。ストライクダガーを解析して、少しでもSEED世界の技術を採り入れようとするのだろう。
もっとも、飛鳥計画の機体やTYPE94を2機こっちに引き渡したのを思えば、当然斯衛や帝国軍と共同で管理する事になるんだろうが。
そのまま喜んでいる夕呼は、何を思ったか俺へと手を伸ばし、その唇が俺の唇へと重ねられる。
幾度となく重ねられ、仕舞いには顔中へとキスの嵐を振らせる。
いや、嬉しくないかと言われれば嬉しいんだがな。
そして、何故かその様子を笑みを浮かべながら眺めているレモンと、目を見開いている月詠、キョトンした表情の社。
そのまま数分程、キス乱舞ともいえるような事をされた結果、俺の顔は口紅に塗れた感じになっていた。
「ふっふふふ……良かったじゃない、アクセル。あんな美人にキスしてもらえて」
「……せめて嫉妬しながら言って欲しいものだな」
空間倉庫から出したタオルと水で顔を拭きながら、面白がっているレモンへと告げる。
「何を言ってるのかしら。こんな事で嫉妬しているようだと、アクセルの恋人なんて務まる訳がないでしょ?」
「……一応言っておくけど、あたしの性別識別圏内は年上よ?」
そう告げる夕呼。
ぱっと見だと俺やレモンは夕呼と同年であり、決して向こうの言う年上には見えない。
だが……それはあくまでも俺の外見から判断した内容でしかない。
「あら、それじゃあアクセルも十分に夕呼の射程範囲内じゃない。こう見えて、アクセルは夕呼よりも年上よ?」
「……え?」
信じられないとばかりに視線を向けてくる夕呼。ついでにキス乱舞から逃れる為に距離を取っていた社と、教育上に悪いとばかりに目隠しをしていた月詠も驚きの視線をこちらへと向けてくる。
「確かにそうだな。魔法球の中に入っていた時間や、他の世界での時差を考えると恐らく夕呼よりも年上だろうな。とは言っても10歳も20歳も離れている訳じゃないが」
「と、年上?」
「ま、色々とあったんだよこれでも」
レモンにしろ、時の指輪の効果で容姿が変わっていないが夕呼と比べれば年上だろう。
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