第16話〜中間試験に向けて〜
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よくよく見れば、教室でZ組メンバーが輪になって勢揃いしていた。サラも退室している。
「・・・で、何の話をしていたんだ?」
本当に聞いていなかったのかとため息をついてから、それに関してもマキアスが答えてくれる。試験対策として最終確認をしたいため、全員が一緒に勉強する相手を探していたそうだ。数学が苦手なエリオットはマキアスと。帝国史が不安なガイウスはアレスやユーシスと。元猟兵であるため、基礎学力があまり高くないフィーはエマが、といった具合らしい。古典が不安らしいアリサもエマにヘルプを求めるなど、他のメンバーは程度固まって勉強するようだ。まだ昼過ぎなので、後で個人的に勉強する時間もあるだろう。
「ねえねえ、ケインはどうするの?」
「俺は・・・苦手科目が特にないんだよな。軍事学や導力学、帝国史についてはもう一通り勉強してしまったからさ」
「そうなのか?では、帝国史はケインにも見てもらえないだろうか?」
「ああ、分かった」
「フン・・・だったら俺の軍事学も見てもらおうか」
「え?わ、分かった」
「僕も導力学が少し不安なんだ・・・親友の君なら見てくれるよな?」
「と、当然だろ。後で行かせてもらうよ」
「ケイン?私のところには来てくれないの?さっき約束したのに」
「分かってる。ちゃんと行かせてもらうよ」
余計なひと言でガイウスやユーシス、マキアスの勉強も見ることになってしまった。嫌ではないが、ファミィの教師役を任されているのであまり長居はできないだろう。
「ちょっと!それ私が教えてもらう時間ないじゃない!!」
「余裕だと言っていたのはどこの誰だ?」
「そ、そんなこと・・・言ったけど」
「認めるのかよ」
「だったら、手っ取り早くジャンケンで決めるのはどうだ?勝った順に一時間ぐらいで区切ってケインに教えて回ってもらうというのは」
「フン、レーグニッツにしては名案だな」
「あの、俺の意見は・・・」
案の定、試験かなりヤバすなファミィが黙っているはずもなかったが、シフトが当人以外のものにジャンケンで決められている光景を見ていることしかできないケイン。
「その、もしよかったらラウラも一緒に回らないかな?大変かもしれないというか、かなり大変だと思うけど」
「いや・・・せっかくだが今日は遠慮しておこう。少々個人的に復習したい教科がある。それに、そなたはかなり人気者のようだしな。先に失礼する」
最近少しそわそわしているという感じのラウラを何だか放っておけなかったケインは、勉強がてら彼女と話ができたらと思ったがやんわり断られてしまう。
「あ、ラウラ!」
「??」
「明日からの試験、お互い頑張ろうな」
足早に教室を去ろうとす
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