第十六話。遅咲きの桜
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「事象の上書き?」
「うーんとね、簡単に言うと作家さんになった気分で物語を描くんだよ。
編集とか、添削とか言った方が解るかな?
もし、モンジ君が『物語』を変えるとしたら?
変えたい物語が『メリーさんの人形』というタイトルだったら、どんな物語に変える?
モンジ君はそう言った強いイメージ力を持って物語に干渉する事で物語を改変できる、そう言った能力を秘めているんだよ」
「強いイメージ力を持って?」
「うん。強いイメージ力は人をハーフロアに変えるように、ロアを、あるいは世界をも変える力を持つからね」
強いイメージ力は世界を変える?
「今はまだ解らないと思うけどモンジ君がもしこの先、生き残れたら、私を倒せたら君はハーフロアとして完全に目覚めるかもしれない。
ハーフロアとして完全に目覚める方法があるの。
その方法はまだ教えてあげないけど、もし私を倒せたら……いつか、その方法で君が目覚めたらきっと私が言ったイメージ力については解ると思うよ」
「そうか……」
キリカは笑顔のまま、淡々と話続けた。
話せば話すほど自分が不利になるかもしれないのに……俺が知りたい事を話してくれる。
キリカにとって、『不可能を可能にする男』の能力は驚異じゃないのか?
それとも何かしら対抗策を持っているのか?
キリカの心意は解らない。
ただ、解る事が一つだけある。
ハーフロアとして完全に目覚める方法があるという事。
キリカはその方法を知っているが俺に教える気はないという事。
ただし……。
まだって事は君を倒してその時が来れば教えてくれるんだね。
「モンジ君が知ってる通り、私達ロアはこの世界に存在性をアピールしないと消えてしまう存在だから。
そして、私達ロアはそれぞれの独自性に則ったルール、『物語』的な力に縛られて存在しているの。
その『物語』的な力に強いイメージ力を持って『干渉』して『改変』できる力を持つのが、モンジ君が持つ『不可能を可能にする男』の力なんだよ」
「そんな事を教えていいのか?」
「うん。さっきも言ったけど8番目のセカイにこの情報は載っているからね。
だから大丈夫だよ!
それに……」
「それに?」
「もうすぐ消えちゃう君に知られても問題ない情報だからね!」
キリカが人差し指を虫に向けると虫達がキリカの隣に集まり、その虫達が一つに集まると巨大な物体へと変化した。
その外見はRPGなどでお馴染みのゴーレムや巨人兵みたいな姿をした化け物だ。
「それにしても、モンジ君は本当に美味しそうだね」
「性的な意味で言ってるのかな?
なら可愛がってあげるよ?」
「ふふっ。そう言う魂も美味しそうだし、いろんな
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