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101番目の舶ィ語
第十六話。遅咲きの桜
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感情も美味しそうだもんね。モンジ君は一人グルメの塊だっ」

「おや?キリカの食事って、精神的なモノなのかな?」

てっきり、キリカが虫達を操って俺の肉体を食べるとばかり思っていたが……精神だけなのか?
なら、命までは奪われない?
そう心の中で安心してキリカを見つめると______

「うん、私が食べるのは精神、魂の方」

「そうか、それなら……」

やはり命までは取られないようだ。
よかった。
そうだよな。いくら魔女でも命は取らないよなー、と思ったが……

「ただ、それで発狂しちゃったり意識をなくしちゃったりした子は、私の可愛いこの子達(赤い虫達)が物理的にムシャムシャーっと食べちゃうんだよ」

その発言でキリカは全く安心出来ない存在という事がよく解った。

「そうか……」

しかし、発狂や意識をなくす、か……。
キリカに精神やら魂を食べられるという行為は、それだけデンジャラスさを含んでいるという事なんだろうか。
精神が耐え切れなくほどの食事。
具体的には解らないが、尋問科(ダキュラス)の問題教師、(つづり)と同じくらい卑劣な事をされるのかもな。
まあ、命を奪わないだけキリカより綴の方がまだマシかもな。

「『人を食べる虫』の都市伝説だったかな?」

「発生は逆だけどね?」

「ん?」

「『魔女ニトゥレスト』が操る蟲は、人を、ロアを、物語を、記憶を食べる。つまり、『人を食べる蟲』っていう都市伝説は、私のサブエピソードみたいなものなんだよ」

人差し指を立てて、もっともらしく語ってくるキリカ。
その様子がいつも色々教えてくれるキリカの教室での姿と重なって見えた。

「なんか、将来の俺は都市伝説マスターになれそうだね。キリカといれば」

「その暁には、都市伝説を全て語り継ぐ者『友達の友達』こと、『FOAF』の称号が手に入るかもね」

「友達の友達……ああ、自分の事だね?」

「そ。千以上の都市伝説を体験したモノに送られる『どんな伝説でも消せない者』の称号。
さて、今のモンジ君は私で何人目なのかな?」

「まだ2人だよ。『8番目のセカイ』のヤシロちゃんも入れれば3人目だけどね」

「あれはプロローグみたいなものだからね。そのDフォンを手に入れてからの、1人目はやっぱり……?」

「黙秘権を行使したいね」

キリカが確認しているのは一之江の事だろう。
多分キリカは、一之江がなんらかのロアかそれに関わる人だという事は掴んでいる。
だが、それがどんなロアなのかは解ってない。

……やはりロアとの戦いは情報戦になるんだな。
より相手の事を知っていれば知っているほど、その抜け道や対抗策が見つかる。
有名であれば有名であるほど、そういう不利も生まれ
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