プロローグ
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性、フィオレは頬を膨らませて不機嫌な表情を作ることで、言外に私、怒っています!、と主張する。
「まあ、マスんん!フィオレ、もう三月になったとはいえ、まだ冷えるからそろそろ帰ろうか」
コウタと呼ばれた少年は、苦笑しながらフィオレの車椅子を押して歩き始める。
「ああ、そういえば貴方を指名で教会から連絡がありました。また、聖杯出現の兆しが視えたため、現地の調査を依頼したいそうです」
「へえ、場所は?」
「国際IS特殊専門高等学校、通称IS学園です」
「女子校じゃん!性転換でもしろと!?……ってまさか!?」
IS学園とは、ISの知識、技術を専門的に教育する高等学校に値する学校なのだがISという女性しか扱えないという特質によって、生徒は女子しかいないため実質女子校の状態である。
しかし、つい最近にその状態が崩れるニュースがあったことを、コウタは思い出した。
「世界初の、男性操縦者……」
「そう。貴方を二人目に仕立て上げるか、上が何か策を考えるそうですよ」
「何にせよ、行くのは確定か」
「こちらからも誰か送っても良いとのことですし、教会からもサポートするための人員が派遣されるそうです。しかし、何はともあれ帰ってから皆と話し合いましょう」
「ああ」
フィオレの言葉に頷き、コウタは彼女を車椅子を押して移動を開始する。
これからコウタが巻き込まれる運命に、一筋縄でいかないものを感じながらも、どんな結末になろうと後悔しないためにこの穏やかな時間を心置きなく堪能しようと、コウタ達は考えるのだった。
とあるビルの中になるオフィスの円卓が置かれた会議室の中、一人の青年が席に付いて取り出した懐中時計を見ていた。
「そろそろか」
眉を顰めた厳しい表情の青年が呟くと同時に、空席だった席にホログラムの人影が投影される。
「『光の国』、黒部ハヤタ」
「『立花レーシング』、藤岡タケシ」
「『番犬所』、小西コウガ」
「『地球防衛軍』、松岡シンイチ」
「『蒼き艦隊』、興津グンゾウ」
「『聖堂教会』、言峰ニセイ」
「『魔術協会』、ウェイバー・エルメロイ。本日の司会は、私が勤めさせていただく」
人影がそれぞれ名乗ると、初めからいた青年、ウェイバーの言葉に一同は頷くが、未だ空席が二つ残っていた。
「今回の定期報告会だが、『アベンジャーズ』のニック・フューリーと『X-MEN』のプロフェッサーだが、先日起きたウルトロンとセンチネルが暴走した事件の残党が燻っているため、欠席と連絡を受けている。そのため、本日の重要事項以外の採決はこちらで決定しても問題ないとのことだ」
ウェイバーの報告に、各々は違ったリアクションを取るが苦虫を噛み潰した顔になったことは共通していた。
「そうすると、
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