九校戦編
第10話 大会初日
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「おはよう」
「おはようございます、達也さん、翔さん、深雪さん、ほのかさん、雫さん」
エリカ、レオ、幹比古に美月だ。一昨日の立食パーティで来ていたのを知ったので、昨日の昼間は暇つぶしといっては悪いかもしれないが、一緒に森の中を散歩していた。今日は開会式の後がよくわからなかったので、昼食後に集まってから一緒に競技を見回る予定だったのだが、ここで会うのも何かの縁だろう。
レオたちと会えたのも、思ったよりも後方の席が空いていたというのはあるのだろう。前方の席には、「バカな男ども」とか「お姉さま〜、ってヤツ」が多いという、エリカの毒舌が語っているのも一因で、競技そのものを見るよりも競技者、この場合は七草生徒会長が、お目当ての男子女子が多い。
美月の同人誌発言から、茶化されて反応に困っていた美月を救ったのは、達也の
「始まるぞ」
の言葉だった。五つにならんだライトの1番下が点灯している。これが順次1段上のライトが点灯して行き、5番目である最上段のライトが点灯すると、スピード・シューティング競技開始のシグナルだ。ここから5分間の間に発射されるクレーの数は100枚。それを魔法で撃ち落としていく。
七草生徒会長の場合は、照準として視覚系魔法『マルチスコープ』を使用しているから、そちらの同時18個制御というか、どうも3つの『マルチスコープ』を1組として、それを6組として使用しているようだ。
七草生徒会長のスピード・シューティングの競技を、皆が魅入られるようにしているのか、非常に静かだ。その中で雫がぼそりと
「早い……!」
そうしたつぶやきがきこえるほどに静かだが、言った内容は空中のレンジにクレーが入った瞬間に撃ち落とすスピードか、クレーに追随しているマルチスコープのことなのか。
七草生徒会長の予選は100発100中のパーフェクトだった。まあ、スコア式とはいえ、クレーを100枚落とした。そういう記録は、過去2年間の高校生では、七草生徒会長以外にはだしていない。多分、今年もそうだろう。
達也が中心になって、七草生徒会長のスピード・シューティングの解説モードに入っているが、ドライアイスの亜音速弾の話で見えていなかったのがいるのは、動体視力が必要な競技系を実際におこなっているか、よほど見慣れていないと難しいだろう。
『マルチスコープ』のところで、僕が
「操弾射撃の練習で、試してみたけれど、実用的な照準合わせの速度がだせなかったよ」
「翔も、無謀なことするのねー」
「試してみて、役に立ちそうなのを、取り入れていくのが僕の道場の流儀だからね」
「小手先の技ね」
「まあ、そうとも言うね」
ここは、エリカに譲らないと、制服姿ならいつも持っているノートを、丸めて竹刀代わりに叩いて
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