あらゆる過去を締め出せ
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早く茶を入れて、お盆に載せて戻る
今日の茶菓子はチュイル、葉っぱの形をした薄いクッキー
空き缶に大量に詰めてきたので、空き缶ごと出してしまおう
「今日はクッキー?」
戻るとすでに机が置かれ、教材である毒瓶や巻物がある
真ん中にお盆と空き缶を置いていると、サイが覗きこんで一つつまんだ
「・・・薄墨、先輩たちに礼は言ったのか」
首を傾げて、横に振られる
言ってないのか・・・
気にしてないぞーと先輩たちから言われるものの、どうも気になる
サイが原作よりも、物知らずというか、常識というものを知らないというか・・・
せめて組み手を付き合ってもらったことに礼ぐらい言おうぜ
組み手してください→組み手→それじゃまた
そんなことばっかりだ
ポリポリとクッキーをかじり続けている
先輩達も茶を啜りながら、どれから教えるべきか相談している
「なあ薄墨」
「! 何ですか?」
「常識って知ってるか?」
紙を取り出され、”常識”と嫌に達筆に書かれてしまう
自慢げに見せてくるサイ
流石に先輩たちもおかしいと思ったのか、お互い顔を見合わせている
・・・もうちょっと違う対応してたら、別のものを渡そうかと思ったけど・・・
やっぱりこいつにはこれが必要なようだ
ポーチから一冊の本を取り出す???マナー教本だ
冠婚葬祭から御近所付き合いまで、聞くに聞けないことも詳しく書かれている、書店オススメ本だ
「やる 読め」
サイに押し付けた
「本・・・ですか
わかったよ、鶸茶が言うなら読むよ」
うんうん
こういう時は従順な性格は便利だな
ま、原作でも本をよく読んでいたし、これぐらいの教本なら苦にもならないだろう
今日の修行が終わってから読めよと釘をさして、先輩たちに向き直る
さぁ、講義をしてもらおう・・・って
「・・・何か?」
仮面ごしに伝わる視線
何やら困っているというか、悩んでいるというか・・・
「いや・・・薄墨が、読書って・・・」
「・・・見たことないから、なぁ?」
・・・読書趣味じゃないのか!?
もしかして余計なことを覚えさせてしまったのか!?
不安に襲われながらも、毒の講義が始まった
・・・ナルト、もし新生七班になったとき、サイが本本うるさかったらオレのせいだ・・・
・・・本当ごめん・・・
◇◆◇シナイ◇◆◇
困った
実に困った
鉄
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