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駄目親父としっかり娘の珍道中
第5部
紅桜編
第66話 初めて使うキャラは大概扱いに苦労する
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 と、書かれた板を新八に見せつけて。

「い、行って来ます! エリザベス先輩ぃぃぃぃぃ!」

 即座に立ち上がり、敬礼のポーズを取り、新八は脇目も振らず一目散で買い出しに向かった。
 折角かっこいいと思われたのに、やはり新八は残念なキャラがお似合いなようである。




     ***




「う〜ん、久しぶりの散歩だからかなぁ……少し張り切りすぎちゃったかも」

 一人でそう呟きながらなのはは定春と共に歩いていた。空は既に茜色を通り越し暗くなりだしている。そろそろ帰らなければ銀時達が心配するだろう。
 だが、問題が一つあった。それは、今自分がどこにいるのか全く分からないと言う事だ。
 周りには大きなコンテナ類が積み上げられており視界が悪く、まるで迷路のように入り組んでいる為出口も分からない状況だ。
 微かに鼻に入ってくる潮の香りから此処が海沿い。即ち港だと言うのは分かるのだが、生憎こんな港は知らないようだ。

「困ったなぁ、そろそろ帰らないとお父さん達心配してるだろうなぁ。神楽ちゃんもお腹空かしてるだろうし」

 因みに神楽はなのはの作った飯以外は受け付けない傾向になりだしていた。
 と、言うのも新八が握った握り飯が相当不味かったからであろう。以来、新八の作った飯には手をつけなくなったのである。

「ねぇ、定春。此処が何処だか分かる?」

 頼みとばかりになのはは定春に尋ねてみる。が、そんな問いに対し定春はただ『ワン!』と答えるだけであった。
 まぁ、犬だからしょうがないのだろうが。

「困ったなぁ、こうなったら近くを通った人にでも道を聞こうかな」

 一人で悩んでいても解決にはなりそうにない。そう確信したなのはは目的を変えて近辺を歩いている人を探す事にした。この辺を歩いている人であれば此処の地理にも精通している筈だ。
 そう思っていた矢先、近くを通り過ぎている人を見つけた。
 早速なのははその人に近づこうとしたが、すぐにそれを止めた。
 近くを通っていたのはいかつい顔をした浪人が数人だったからだ。
 しかも顔色から見るにかなり殺気立っている。下手に近づけば何されるか分かった物じゃない。
 即座に物影に身を潜め、なのはは耳を傾けた。

「おい、見つかったか?」
「いや、この辺にはいない。どうやらまたあの人の持病が出てきたみたいだな」
「全く、あの人にも困ったもんだ。あの持病さえ無ければ問題ないってのに」

 どうやら浪人達は人を探しているようだ。しかも持病持ちと言う辺り病人なのかもしれない。だが、会話の内容を聞く限りだと、その持病のせいで探し人が何処かへ行ってしまったと言うのだそうだ。
 一体どんな持病なのだろうか? 頻尿なのか? それとも何かしらの依存症
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