第5部
紅桜編
第66話 初めて使うキャラは大概扱いに苦労する
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「どうしたの? 定春」
振り返り、定春を見る。そんななのはに定春は首を横に振って「行ってはいけない」とまるでそう意思疎通をするかのような仕草をしていた。
多分、定春の本能が告げているのだろう。あそこへ行ってはいけないと。
だが、此処で引き返す訳にはいかない。どの道戻った所でまた延々と出口の分からない迷路を突き進む羽目になる。
それに、なのはは知りたかったのだ。声の主を、何故自分を呼ぶのかを。その為には多少危険があろうともあの中へ入らなければならない。
「御免ね、定春。気持ちは嬉しいけど、でも私はあそこへ行かなきゃいけないの。分かってくれる?」
そっと定春の頭を撫でながらなのはは言った。その言葉を受け、定春が少し困った表情を浮かべた。
「定春。私の事が心配なら此処に新八君かお父さんを連れてきて。そうすればきっと大丈夫だから。定春なら匂いで出口が分かるからすぐ帰れるよね」
定春は半ば名残惜しそうに小声で唸ったが、やがてすぐさま踵を返し、走り去って行った。定春の姿が見えなくなったのを確認し、なのはは再び軍艦へと目線を向ける。
此処に自分を呼ぶ何かがある。そしてそれを確かめる事が、今の自分に課せられた仕事なのだ。
自分自身にそう言い聞かせつつ、なのはは単身巨大な軍艦のへと向かって行くのであった。
つづく
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