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世界を超える保持者とα
第四
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ます」

説明しつつ、カイルは魔法珠を机に置く

それを、アルファは拾い上げ物珍しげに解析した

「これは、ただの木材ではないな。魔力を蓄え形を保つ性質を持っているようだ」

「ええ、その通りです。それの素になった樹は魔力を持つ樹です」

アルファは、この世界に来てすぐのことを思い出した

「確かに、あの森には魔力を帯びた樹があったな」

確かに、あの巨大な樹には魔力が満ち溢れていた

「僕たちはその樹から落ちた枝や葉を加工して道具を作っていました。それと同時
に、その材料をアリアドネーの学園へ授業材料として送っていたんです」

「それが、ここの家主の学園か。なるほどな」

話の流れを察し、頷く

すると程なくして、部屋の外から足音が近づいてきた

足音は部屋の前で止まり、コン、と一度ノックをしてから扉が空いた

「・・・失礼するよ」

ゆっくりと扉を開け、家主用の椅子に歩を進め腰掛ける初老の男

「お久しぶりです、ヘンリーさん」

カイルの言葉に、ヘンリーと呼ばれた男は笑みで返した

そして、アルファへと顔を向け、名を名乗った

「ヘンリー・ロイズです」

よろしく、とこれも笑みを持って行う

なるほど、悪い人間ではないらしい、というのが印象

「この方は、シャガル・リルラさんです」

この場では、アルファではなくシャガルの名を使う

カイルが自らを紹介しているあいだにも、アルファはヘンリーを観察していた

紹介のあいだ、ヘンリーという男は終始にこやかな表情だった

だがお互いの紹介が済んだ後、不意にヘンリーから笑みが消える

「何があったかは、報告を受けています。大変だったでしょう」

ヘンリーはいきなり本題を切り出した

「えぇ。父も殺されてしまいました。僕はこの方に助けていただいたので無事でし
たが、帰る場所もなくて・・・ヘンリーさんに頼らせていただきたい、と」

ヘンリーは言葉を返さない。カイルはもちろん、と続けた

「僕とシャガルさんはこの国で学舎に入るつもりでいます。そうすれば最低限の生
活は保障されますし。ヘンリーさんには、学舎の紹介をしていただきたいのです」

しかし、とヘンリーは遮った

「今やこの世界で帝国によって生み出された難民は数をしれず、このアリアドネー
もまさに溢れかえる寸前。どこの学園も新規の生徒の入学を認めないでしょう。」

まあ、と一間隔

「私の管理する学園ともなれば話は別、君もそれを分かってここへ来たのでしょ
う?」

「・・・ええ、その通りです。ヘンリーさんには大変なご迷惑をかけることになります
が・・・」

確かに、このヘンリーという男はアリアドネー国内でも有
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