暁 〜小説投稿サイト〜
世界を超える保持者とα
第四
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待っていてください」

カイルが、そう言って小走りで関所へと向かう

少しのあいだ、関所の番と話をしたかと思うとまた小走りで戻ってきて

「大丈夫です。行きましょう、アルファさん」

早々に話をつけ、手招きするカイルを見て、アルファは笑った

「カイル、なかなかやるじゃないか」

いやぁ、父の力ですよと苦笑しながらカイルは言った








二人は関所を過ぎ、しばらくして街に入った

「ほう、どれも見たことのないものだ。建造物も、其処らで売っている物も」

「そうなんですか?僕はお二人の居た世界を知りませんから・・・」

その街には、数え切れない程の人と遥か先まで立ち並ぶ店があった

アルファにしてみればそもそも建造物や服装などからして物珍しい。

販売されている食べ物は見たことのないものばかり。

人は溢れんばかり、空を見上げればそこにも魔法使いが飛んでいた

アリアドネーという国は、魔法の学習、研究を国の基盤においた謂わば魔法都市国
家。

それゆえに魔法を学ぶものでなくとも魔法をある程度は使いこなせるし、生活の
所々に魔法や、魔法を用いた道具が取り入れられている

無論、複写眼《アルファ・スティグマ》の大元たるアルファの目で見ればそれらす
べてを見通すことになり、どれだけこの国家の魔法技術が発達し、尚且つ普及して
いるかが一目に分かる

街のいたる所で魔力の変化が生じ、弾けている

空を飛んでいるのも解析したが、あれは媒介が必要らしい

様々なものを見渡し、その都度カイルに質問を投げかけていたアルファだったが、
目的地についた事を告げられると「む」と黙った

そこはかなり大きな屋敷で、その風貌だけで家主の権力の程が知れる程

屋敷に足を踏み入れると、使用人が応対に現れカイルと少し話したあと、二人を中
へと引き入れた

扉を過ぎるとまず、かなり広い空間が広がっていた

そこには大小様々な賞状や絵画が飾ってあり、ほかの部屋へと続く扉がある

そのうちの一つに案内され、部屋の中央にある椅子へと誘引された

二人を案内し終え、パタパタと足音を立てて部屋を去る使用人

家主を呼びに行ったのだろう、自然、部屋にはカイルとアルファのみとなる

美しい卓を囲む椅子のうち二つに、腰掛けてカイルが口を開いた

「ここの家主は、僕の村と取引をしていた人でしてね」

カイルは、ゴソゴソと何かを探し

「アリアドネーの数ある学校のうち数個の学園長を務める人でして・・・これ」

「それは先刻使っていたものだな」

アルファに先ほどの珠を見せた

「これは魔法珠と言いまして、僕の村で管理していた森で取れる材木からできてい

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