第四
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シャガルとカイルは、アリアドネーの関所を目指して道を進んでいた
結局あの国境の兵士たちは備品の縄でまとめて縛り上げ、放置してきた
応援を呼ばれて、追っ手が増えては困るからである
それからこれまた砦の備品なのだが、カイルの傷の応急処置をした
道中、シャガルはアルファに
『シャガル、我に変われ』
と言われ現在はアルファが体を操っている
実はこの光景自体は前世界からよく見られる光景である
アルファ自体は元々ただの機械のようなものであり、そもそも肉体を求めることな
どない
ただ、意思を持ち喜怒哀楽を得ているアルファはやはり退屈もする
全開の砦での戦闘では出番はなかったし、そもそも言葉も2.3言しか発していない
このように様々な理由が相まって退屈しきった頃アルファは半ば強引に体を奪い取
る
さらに今までとは違いカイルという道連れがいるのだから
「カイルよ、あの楯の魔法だがな、もっと魔力を――――――」
「えっ?そうなんですか?今度試してみます!」
「カイルよ、なぜあれだけの魔法を使いながら最初に追いかけられていたのだ?」
「あはは・・・あの時はもう動揺しちゃって・・・面目ないです・・・」
「カイルよ、見ろ。ここに石があるだろう――――」
「わぁっ!石が砂になった!?すごい!」
「そうだろうそうだろう!」
つまりはこうなる
多少道を進んだが、その間ずっとこの調子である
そもそもシャガル以外に話し相手もいないアルファだったが、自らの力を見ても物
怖じしないカイルは良き話し相手でもあり、そのカイルがまた、天性の聞き上手で
あり拍車がかかる
カイルも、自身の怪我など気にならないかのように笑い、身振り手振り応対を繰り
返す
そのような、つい半日前にあった出来事を忘れるかのような陽気な道中
そんな中にあって、蚊帳の外となっているシャガルは
『寝よ・・・』
寝ていた
それもそのはずである
シャガルは転移魔法と言う大魔法を使い、さらに高位魔法使いと戦闘し、これまた
砦でも戦闘を行い、疲弊していた
そう言う意味では、アルファが『外』に出たがるのはシャガルにとっては好都合
だった。
体は休まることはないが、精神的には休むことができる
アルファは退屈していたし、カイルも居る
シャガルは、この世界に来て初めて、心労を癒した
シャガルが意識を沈めてからすこし
道の先に建物が姿を現した
「あっ、アルファさん。あれがアリアドネーの関所ですよ」
「ほう、あれが・・・」
道を歩く二人の前に、簡素な関所が見えた
「アルファさん。話をつけてくるので、少し
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