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鎧虫戦記-バグレイダース-
第06話 食堂のカツコ
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コはうなずいた。

「えぇ、手術の痕を治すだけだから簡単よ。
 それでも30分はかかるかしら」
「数日が30分になるんなら、それで十分さ」

ジョンはカツコに言った。

「俺はそろそろ戻らせてもらうぜ」

ボブはそう言いながら寝室の入り口に向かった。

「セキレイが消えました!ってアイツ等に報告しないといけないからな」

彼は軽く笑いながら言った。
ハトはボブを笑顔で見送った。

「頑張ってね!」
「‥‥‥‥‥‥‥おぅ」

そう答えると彼は食堂を去って行った。

「さぁ、あとは頭の傷を治すだけよ!」

カツコは頭の近くに手をかざして力を込めた。
優しい光がセキレイの頭を包み込んだ。



    **********



「なかなか治らないわね。これでも頑張ってる方なんだけど‥‥‥‥‥」

カツコはセキレイの手術痕を診ながら言った。

「おばさん頑張れ!」

ハトはカツコを応援した。

「おばさん頑張るわね!」

カツコはそう言って再び能力の使用に意識を集中した。


 ガチャッ!

「動くなッ!!」

軍人たちがドタドタと音を立てて入り込んできた。

「な、どうして!?さっきボブが報告に行ったはず‥‥‥‥‥」
「戦国博士の命で捜索をしばらく続けていたのさ。
 やっぱりアイツは裏切ってたんだな!前から怪しいと思っていたんだ!」

彼らはハトたち四人を取り囲んだ。

「お前らの射殺命令はすでに出ている!全員発射準備!!」

そう言いながら軍人の代表のような一人が引き金に指を掛けた。
残りの全員もそれに続いて指を掛けた。やはり躊躇はないのだろうか。

「で、でも!おばさんは撃たないであげて!
 おばさんはセキレイお兄ちゃんを助けただけだから――――――」
「それなら十分、反逆罪だ!彼女にも死んでもらうッ!!」

モブキャラ代表は部屋の隅にいる四人に銃口を向けたまま叫んだ。
もう聞く耳を持つつもりもないようだ。

「セキレイお兄ちゃん‥‥‥‥‥‥‥」

ハトはセキレイに抱きついた。

「今度こそ、もう駄目みたい‥‥‥‥でも良かったね、お兄ちゃん。
 寝てるから痛くないもん‥‥‥‥‥‥‥‥私は痛いけどね、えへへ」

彼女は笑っているのか、泣いているのか、よくわからない表情で言った。

「話は終わったか?それでは処刑を始める」

軍人たちに緊張が走った。
ハトはゆっくりと軍人の方を向いて立ち上がった。

「じゃあね‥‥‥‥‥セキレイお兄ちゃん」

ハトはゆっくりと目を閉じた。



 フワァァァァァッ!

「な、何ィッ!!?」
「一体どういうことだ!?」
「身体が‥‥‥‥宙に!?」
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