第06話 食堂のカツコ
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クモ型装置は急に変な動きをし始めた。
ガチンッ!
磁石にクモ型装置がすごい勢いで引っ付いて来た。
機械はたいてい強い磁力に弱いため、彼は能力で磁石の力を限界まで引き上げて
クモ型装置の回線を壊すと同時に、手元に引き寄せたのだ。
ヒュンッ ザクッ!
そのままボブは持っていたナイフをクモ型装置の電源部分に突き刺した。
まだ、カタカタと動いてはいるがそのうち完全に動かなくなるだろう。
「あとは任せましたよ、おばさん」
そう言うとボブはクモ型装置を捨てるために手術室に去って行った。
「ハッ!そうね、後は細かい所の治療と縫合だけ!
もう少しだけ頑張るわよ!」
「分かりました!」
そう言って二人はセキレイの手術を再開した。
「ほとんど軽い火傷だけで済んでたわ。
頭は少し開いたけど、彼の再生力ならすぐに治るはずよ。」
カツコは食堂のベットにセキレイを寝かせた後に言った。
「どのくらいで治るの?」
ハトはセキレイの寝たベットの横に座って聞いた。
「うーーん‥‥‥‥‥だいたい2、3日はかかるんじゃないかしら?」
「そんなにかかるんだ‥‥‥‥‥」
「大丈夫だろうか?」
カツコの言葉を聞いたハトとジョンは悩んだ。
これからセキレイをどうしようか、と。
「‥‥‥‥‥‥仕方ないわね。私の能力、見せてあげるわ。」
カツコはセキレイの胸のあたりに両手をかざした。
ポウゥゥ‥‥‥‥‥
彼女の両手から優しい光がセキレイに照射された。
ハトとジョンはその光景を眺めているしかなかった。
「何やってるの?おばさん」
ハトはカツコに訊いた。
「治してあげてるの。私の″超技術″でね」
カツコの能力名は″治療光線″。
肉体の欠損した組織に定着し、タンパク質等と同じように働く
特殊な光子を手の平から照射する能力である。
数日から数ヶ月かけて治すはずの重傷を圧倒的短時間で
回復させることができる、とてつもなく貴重な回復系の″超技術″である。
自身で生産するエネルギーを他者に分け与えるため
少し休めば再び治療を行えるほどの状態まで回復できる
体力面に対する配慮が少なくて済む便利な能力である。
唯一の弱点といえば、手の平からしか照射できないので
治す面積に限界があるというところだろう。
だが、それも手の距離を考えて照射すれば解消できる問題である。
ナイフなどによる一部分の深刻な傷は近くから。
火事による火傷などの全身の傷は遠くから。
この二つの使い分けで彼女は治療を行うのである。
「じゃあ、すぐに治るの!?」
ハトの顔が明るくなった。カツ
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