第06話 食堂のカツコ
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「私はあなたが生まれる前にお医者さんをしてたの。
絶対に治してあげるから、ね?」
そう言って、手術室に入って行った。
「俺たちもできる限りのことはしてくるからな」
ジョンも帽子をかぶりながら言った。
「ハト。俺に命令を与えてくれ。俺はどんな命令でも必ず守ってみせる」
ボブはサングラスを置いて、ハトの前にしゃがみこんで言った。
ハトは軽く首を振った。
「違うよおじさん。約束だよ。絶対にセキレイお兄ちゃんを助けてあげてね」
それを聞いたボブは少し微笑んだ。
「‥‥‥‥‥あぁ。そのミッション、必ず遂行する」
そう言い、彼はおばさんに着いて行った。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
ハトはしばらく立ち尽くしていた。
そして、椅子に座り込んで祈った。
『‥‥‥‥‥セキレイお兄ちゃん‥‥‥‥頑張って‥‥‥‥‥‥‥‥』
「‥‥‥‥ちゃん‥‥‥ハトちゃん、起きて」
カツコはハトの肩を揺らしながら言った。
「‥‥‥‥‥‥あれ?」
ハトは目を覚ました。いつの間にか眠っていたようだ。
「セキレイお兄ちゃんは!?」
彼女はカツコに大きな声で訊いた。
だが、その必要はなかった。なぜなら―――――――
「ここにいるわよ」
カツコの後ろでセキレイが脚に車輪のついたベットの上に寝ていたからだ。
頭に包帯を巻いてはいるが、呼吸も安定しているので大丈夫なのだろう。
「‥‥‥‥良かった‥‥‥っ‥‥‥‥」
ハトはセキレイの傍らに寄って手を取り、涙を流した。
全員も笑顔でその光景を見ていた。
「‥‥‥‥‥‥″任務完了《ミッションコンプリート》″」
ボブはサングラスを掛けながらつぶやいた。
「本当、あなたには救われたわ。ボブ」
カツコは手術中の光景を思い出しながら言った。
「システムがまだ生きているなんて予想外だったわ‥‥‥‥‥
このままじゃセキレイちゃんの脳から摘出できない!」
彼の前頭葉にクモのような形の装置が取り付けられていた。
これが脱出後、脳の最高中枢である脳幹を破壊することで
本人を死に至らしめるのだ。しかも、多少動きはぎこちないが
確かに動いているので、そこから動かすことさえ許されない。
それゆえに三人は立ちすくんでいた。
「俺に任せろ」
ボブはそう言うと、ポケットから何かを取り出した。
四角い小さな物が手の上に乗っていた。
「‥‥‥‥‥‥磁石?」
ジョンはそれを見てつぶやいた。
「そう、ただの磁石だ。俺にとっては違うがな」
ボブは磁石を前頭葉の上の装置に近づけた。
?!!‥‥‥‥!?――――――!!??
カタカタカタカタッ
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