第06話 食堂のカツコ
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「ここでいいか?」
「えぇ、そこに寝かせてあげて」
セキレイは食堂の寝室に運ばれて、ベットに寝かせられた。
「‥‥‥はぁ‥‥‥‥‥はぁ‥‥‥‥」
セキレイの息は乱れており、気絶しているのに痛みを感じているかのように見えた。
それを見ていたハトが彼の手を強く握った。
「セキレイお兄ちゃん‥‥‥‥‥頑張って‥‥‥‥‥‥」
ハトは彼の手を額に当ててつぶやいた。
その時、わずかながら彼の顔から苦痛が消えたかのように見えた。
「それにしても“おばさん”。何であなたがあんなとこにいたんですか?」
気になったジョンはついに聞きたかった質問を投げかけた。
おばさんは振り返りながら言った。
「私の名前は“カツコ”よ」
おばさんは胸元の金の金属板をぐいと引っ張って見せた。
そこには確かにKATUKOと刻まれていた。
「漢字では勝利のカツに子供のコで″勝子″、分かった?」
ジョンはそう言われてとりあえずうなずいた。
そして、改めて質問に答え始めた。
「私はセキレイちゃんがケガをするのを知っていたからあそこにいたの」
それを聞いたジョンは驚愕した。
「まさか、あなたは予知能力者ですか!?」
カツコは笑いながら手を横に振った。
「そんなわけないでしょ。私が彼に頼んだのよ」
そう言って向こう側に手を差し出した。その先には隊長が椅子に座り込んでいた。
隊長はすぐに立ち上がり歩み寄りながら言った。
「俺はミッションは必ず遂行すると言っただろ」
「ボブが受諾してくれて助かったわ。本当にありがとうね」
隊長改めボブにカツコは礼をした。
「いいさ。俺はおばさんに育てられたもんなんだからな。いわば親みたいなもんだ。
親孝行ができて良かったと思ってるよ」
ボブは少し照れた顔をして言った。
「私、セキレイちゃんの大ファンなのよ。だから、助けたかったの」
カツコは顔の前で手を合わせて嬉しそうに言った。
「それにしてもやり方があるんじゃ‥‥‥‥‥‥」
ジョンのこめかみを汗が流れた。
「大人しく来てくれるとは限らないわ。それに
あの電撃をセキレイちゃんに喰らわせないといけない理由があったの」
カツコは説明を始めた。
「実は″新人類手術《EVOLオペレーション》″の過程で
ある装置が脳に埋め込まれていたの。その装置は万が一脱走を試みて
それが成功して、外に出た瞬間に本人の脳を破壊するように出来てるの。
埋め込まれたものを起動させずに取り出すのは至難の業で
外科医的処置では取り出せないから、仕方なく
彼の電撃でその装置をショートさせて、その後に取り出す予定だったの」
それを聞いたハトは泣きながら
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