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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十二話 恨みと嫌がらせ
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ンシュタインが何処に向かうかを考えている。
『可能性は有るな。……ロイエンタール提督、卿はビッテンフェルト提督と共にリヒテンラーデに向かってくれ』
「はっ」
『ミュラー提督にはマールバッハに向かうようにと。私もマールバッハに向かう。上手く行けばそこで挟撃出来るだろう』
確かにその通りだ。フレイアに向かっていない以上リヒテンラーデかマールバッハに向かう筈だ。しかし航路を外れられれば追う事は難しい。だが人質が居る今、航路を外れる必要が有るか? 賭けでは有るな、ヴァレンシュタインはどれを選択した? リヒテンラーデかマールバッハか、それとも……。それにしても挟撃して如何するのだ? 攻撃出来るのか?
帝国暦 488年 8月 10日 マールバッハ星域 ヴァレンシュタイン艦隊旗艦 スクルド アントン・フェルナー
「哨戒部隊より報告!前方に艦隊発見! 数約五万!」
オペレータの報告に艦橋がざわついた。皆が指揮官席に視線を向けた、そして直ぐに視線を戻した。指揮官席のエーリッヒは身動ぎもせずに座っている。安心したのだろう。
「ローエングラム侯がお出ましかな?」
「多分ね、イライラしながらずっと待っていたんだと思うよ」
「如何する」
問い掛けるとエーリッヒは“さて”と言って頬杖を突いた。
「後ろからはナイトハルトが迫っているな」
「ああ、大体一日の距離らしい」
「……通信は可能か。……臨戦態勢をとって艦隊を停止させてくれ。少し早いが食事にしよう」
「食事? 戦闘食じゃないよな?」
「当然戦闘食だ。戦闘になる可能性も有る、食堂に行くような余裕は無い。捕虜にも用意してくれ」
おいおい皇帝にも戦闘食を出すのか。いや、出すか。こいつはブラウンシュバイク公にも戦闘食を出したからな。公は初めての戦闘食に目を白黒させていた……。
「おい、戦闘食は勘弁してくれ。コース料理とは言わんからサンドイッチとかホットドックにせんか。ピザでも良いぞ。戦闘にはならんのだろう?」
オフレッサーが嘆いたがエーリッヒは無視だ。“早く指示を出せ”と不機嫌な声で催促された。リューネブルク中将も諦め顔だ。いやオペレータ達もゲンナリしている。
戦闘食、戦闘中でも簡単に栄養を取る事が出来るようにと軍が開発した非常食だ。栄養は有るんだが誰も喜ばない。内容は一袋に五本入ったビスケットとパックに入ったジュースで終わりだ。ビスケットは一本百五十キロカロリーの栄養が有る。つまり五本で七百五十キロカロリー。そしてジュースはリンゲル液を飲み易くした物。両方ともお世辞にも美味いとは言えない。
食事が始まると直ぐにオペレータが声を上げた。片手にはビスケットを持っている。
「ローエングラム侯から通信が入っています!」
「食事中です、一時間待て
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