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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十二話 恨みと嫌がらせ
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モルト中将の責任ではないと諭した。そして瓦礫だらけになった北苑、西苑を片付けるようにと命じた。暗に俺達の責任だと言っている、嫌な事をしてくれる……。
『馬鹿な、そんな事は有り得ない。それでは弑逆者になってしまうではないか』
ローエングラム侯が首を振っている。だが本当に有り得ないのだろうか。
「今でも彼らは反逆者です。それに陛下が亡くなれば次の皇帝を誰にするかという問題が発生します。こちらは混乱せざるを得ません」
侯が口元を歪めた。ムッとしているようだ。
『それを狙ったと言うのか』
「可能性は有ると思います。陛下を捕える事が出来れば良し、出来ずとも殺せれば良し……」
『……』
「他にもリヒテンラーデ公、ワイツ補佐官、グリューネワルト伯爵夫人、マリーンドルフ伯爵令嬢の四人が拉致されています。リヒテンラーデ公が居なければさらに混乱に拍車がかかった筈です」
ローエングラム侯が唇を噛み締めている。伯爵夫人が攫われたからな、怒り心頭、そんなところか。まあ叫びださないだけましではある。或る程度は想定していたか。或いはオーベルシュタインが指摘したか。それにしても奴の姿が見えないのは何故だ? 伯爵夫人を見殺しにしろとでも言って叱責されたか? それと気になるのはマリーンドルフ伯爵令嬢だ。彼女を攫う事に何の意味が有る? 侯の恋人か?
「それからオーディンに有った補給物資、輸送船が根こそぎ奪われるか破壊されています」
『生産工場もか』
「そちらは大丈夫です。但し、補給物資は一から生産しなければなりません。費用の問題も有りますが時間がかかります。元に戻るには最低でも三カ月はかかるそうです」
ローエングラム侯が顔を顰めた。
『帝国内の補給基地から持って来る事で当座を凌ぐしかあるまい』
「しかし輸送船が有りません、先程も言いましたが奪われてしまいました。物が有っても船が無ければ……。我々が使用しているのを使うとなれば我々の補給に影響が出ます」
『……ヴァレンシュタインめ、碌でもない奴だ!』
ローエングラム侯が吐き捨てた。気持ちは分かる、だがそれだけに手強い、厄介という事だ。嫌らしい程にこちらの急所を突いてくる。オーディンから連絡が無かったのもそれだ、我々にオーディンの状況を報せるなとゲルラッハ子爵を脅した。報せれば人質の安全を保障しないと。御蔭でこちらは状況が掴めず混乱した。
「ヴァレンシュタインは昨日オーディンを発ったそうです。周囲にはマールバッハからアルテナ星域を目指すと言っていたとか」
『アルテナか』
「罠の可能性も有ります。リヒテンラーデから大回りでガイエスブルクに戻る可能性も有るでしょう」
人質にはリヒテンラーデ公も居る。リヒテンラーデでは便宜を受け易い筈だ。ローエングラム侯が微かに目を伏せ気味にした、ヴァレ
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