20話:戦士の誓い
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ズダ様の話とかはしないでくれ」
「今はアブラ・マズダ様との交信ができません。光の戦士の素質が無いならしませんよ」
‥‥。
光属性かどうかはわからないが、蘭に戦士の素質があるのは確かなので更に不安になる小五郎。
「‥‥あってもしないでくれ」
「努力します」
それを聞くと小五郎は普段仕事で使ったりテレビを見たりしているデスクの上にあったメモ帳をちぎり、なにやら書き始めた。
書き終わるとそれをテーブルの上に置き、念のため同じものを複数枚用意して冷蔵庫に貼ったりデスクの上や、その引き出しの中にも置いた。
「娘さんへの置き手紙ですか?」
「ああ。万が一の時のために俺の直筆のメッセージがあった方がいい」
言いながらデイパックを拾い上げる。
「お気をつけて」
「ああ。蘭の事を頼んだ」
小五郎は外に出た。
◆
外に出た小五郎は地図を見ながら進路を決める。
まずは、帝丹高校を目指す。
瑞穂が知っている場所の近くに転送されたことから、蘭に関係のある施設が何かしらの手掛かりになるのではないかと思ったからだ。
小五郎は10-Aに向かうため、北西に向かう。
と、その時に。
小五郎は何か、乗り物が走っているかのような音を聞き、前を向いた。
黒い、輪の形をしたバイクがこちらに向かって突っ込んできていた。
「なっ‥‥!?」
慌てて避ける。
しかしあまりに急だったために小五郎は体制を崩してしまう。
その隙をつくように、バイクはUターンして、再度小五郎に向かって一直線に突っ込んだ。
(まずい、避けられな―――)
それが、毛利小五郎の決して楽じゃなかった人生でも味わったことの無いような大きな衝撃に襲われる前の最後の思考だった。
◆
毛利小五郎が出ていった直後、稲田瑞穂は何かが衝突したような大きな音を聞いて一瞬体が強張った。
その一秒も経たないうちに今度は「ヒャアッハ〜!!」と叫ぶ男の甲高い声を聞いた。窓から外の様子が見えたため、その奇声を上げた男の顔も男が乗っている奇妙な乗り物もはっきりと見えた。
瑞穂を嫌な予感が襲う。
今見た乗り物に乗った男は、デイパックを二つ持っていたような気がしたのだ。
瑞穂は迷わずに外に飛び出し、乗り物に乗った男が走ってきた方向に向けて駆け出した。
すぐに、血溜まりの中に倒れ付している小五郎が見えた。
「毛利さん!!」
駆け寄って揺さぶる。
まだかろうじて意識があるようだが、消えるのは時間の問題だ。
ふと、小五郎が何かを言いたそうにしていることに気が付いた。
「ひだり、の‥‥ケ、トを‥‥」
左の、ジャケットの内側のポケットだろうか。
瑞穂はそこを漁る。
出てきたのは、銃
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