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ソードアート・オンライン 〜Hero of the sorrow〜
自ら望んで哀しみを背負った男
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く、強烈な型。

唖然とするユキに、一也が話しかける。

「君は一瞬が弱点だといったね。この技は、その一瞬を武器に替える」

「この拳の名は」

(おう)()

「これを学ぶ覚悟はあるか?」

急に態度を変えた一也に、ユキは元気よく返事をした。

「はい!!」


ユキがこの世界から出るとき、一也は言った。

「これで君も赤心少林拳最強の一人だ」

「頑張ってくれ。後輩」

去りゆくユキの背中を見ながら、義経は言った。

「あの餓鬼どうなってんだ!?」

「何がだい?」

「俺が負けたんだぞ!?わずか二時間ならっただけの子供に!!」

「彼の力さ。誰かを守ろうと、救おうとする、彼の思い。それが赤心少林拳を強くしたのさ」

一也の答えに、義経は舌打ちして言った。

「お前みてぇなやつ相手にするなんざ、もうこりごりだ!!」

一也は笑い、義経と共にユキの心を後にした。

素晴らしい桜と梅の花が咲く心を。



「あ、ありがとうございます、オベイロン様!!」

そう叫んだ男――――――シグルドは力を与えられていた。蛇とカラスの力を。

「では・・・頼むよ、シグルド君。アイツらを全員殺して持って来れば、もっと力を上げるから」

はいっと言ってシグルドは去って行った。

須郷は笑みを深め、力を望んだ。あとはユキをから力を奪うだけ。

「ニヤニヤするな、気持ち悪い」

「おや、クライ君。後ろの男性は?」

クライの背後から、男が現れる。

「自己紹介させてもらいましょう。私はアシムレイトロイドNo1.Awkwardです。オーク、と呼んでくれるとありがたい」

赤い武道着を着た男に、須郷は頼んだ。

「そうか、オーク君。君にお願いがある」

「なんでしょうか?」

「さっきの男について行ってくれないかなぁ」

「いいでしょう・・・ひとつ聞いていいでしょうか?」

なんだい?と須郷が返すと、オークは笑って言った。

「そこに、強い人はいますか?」




現在、リーファは吐いている。キリトが無茶をしたからだ。

モンスターの群れに突っ込みつつ、ひたすら避ける。

一歩間違えれば死ぬこととなる自殺行為に等しい行動をしたのだ。

抜けた出口には、大量のモンスターが溜まっている。

金があった方がいいかもしれないと、ユキが無頼・フルウェポンキックを打ったのはまた別の話。

「リーファ、あまり時間は使えないのだろう?すまんが説明を頼む」

ふぁい・・・と力なく立ち上がり、リーファは説明を始める。

「今抜けた山脈は、輪っかになって世界を囲んでいるの。でも、そのうち三か所に大きな切れ目がある。
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