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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第三十三話 氷炭、相結ぶ
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ジルニトラ号のデッキに飛び降りた。一番槍を、子供であるイバルやエリーゼにさせるわけにはいかないからな。ここは大人の出番だろう?
アルクノアから放たれた銃弾をすぐさま横に転がって躱す。
電磁砲で狙ってくる奴もいたが、その砲撃は私に届くことなく消えた。
裳裾を揺らめかせて隣に降り立ったフェイリオが、一睨みで展開した水の魔法陣で、アルクノア兵を押し流したからだ。
アルヴィンがエリーゼを抱えて、イバルは単身で、それぞれこちらのデッキに飛び移ってきた。最後にミラが浮力をまとって、フェイリオのように衝撃なく降り立った。
「〈クルスニクの槍〉は……、……こちらだな」
こら、ミラ。勝手に先に進むな。はあ。これじゃラフォートの時から何ら進歩してないじゃないか。
「お待ちください、ミラ様っ」
イバルがミラを追いかけて行った。フェイリオと顔を見合わせると、フェイリオはへらっと困ったふうな苦笑を浮かべた。
しょうがない。ミラが位置を特定できるなら、我々もそれに付いて行こうじゃないか。
一足客船の中に踏み入れば、蘇るのは人生で2番目に最悪の思い出。
「パパ。怒ってる?」
「私が?」
「コワイ顔、してる」
怒ってはいない。ただ思い出していただけだ。昔に経験した悪夢を。
悪夢以外の何でもない。ここは〈俺たちのミラ〉を喪った船と同型らしい。
否応なく記憶が掘り起こされる。振り解かれた手、最後に届いた言葉――全部、こっちは覚えてるんだからな。
あの時、自分の世界が分史世界だと分かっていたら、何が何でも〈ミラ〉の手を離さなかったのに。
そうしたら一体どんな結末になったんだろうな、ミラ――
「何だかキレイ……お城みたいです」『あちこちキラキラ〜』
「元はただの旅客船だからな。それなりの富裕層もターゲットだったから、こういう装飾もあちこちにあるわけ」
「『ふゆーそー?』」
「有体にいや金持ちやら貴族やら」
「え!? じゃあアルヴィンって貴族の人なんですか?」
「おうとも。エレンピオスじゃ超名門のスヴェント家嫡男だぜ、俺」
『見えない……』
「うっせ。まあ、こっちに来た時点で、庶民も貴族もなくなったけど。生きてエレンピオスに帰るためには、身分なんて言ってらんなかったからな」
「あ……ごめんなさい」
「謝られてもな」
「そうだぞ、ルタス。傭兵が言ってることはあくまでこいつらの事情だ。お前が何か悪事を働いたわけでもないのに謝るのは筋が通ってない」
「マクスウェルの巫子には言われたくないねえ」
……どこまで本音で皮肉なんだか。というか君たち、戦場にいるのに緊張感がなさすぎないか? 特にアルヴィン。この先にいるのは君の叔父なんだから、殊勝な顔をしても
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