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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第三十三話 氷炭、相結ぶ
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ったおかげで動く暇がなかった。

「お前は何者だ」

 セルシウスは黙して語らない。
 代わりに、ジランドが立ち上がり、セルシウスの頭に手を置いた。

「てめえが2000年前にエレンピオスに置き去りにしたせいで死に追いやられた、哀れな亡霊だ。心当たりがあるだろう? マクスウェル」
「ない」

 ミラの断言には温度がなかった。

「だとよ、セルシウス。冷たいご主人様もいたもんだぜ。これで遠慮なくあの女を氷漬けにできるだろう?」
『はい。マスター』

 そうか。そうやってセルシウスに刷り込みを与えて、私たちと戦う意思を持たせたのか。
 昔、試作品の源霊匣に操られた君はあれほど怒っていたのに。ここで敵対したのは、隷属に甘んじるだけの理由をジランドに与えられていたからか。

「ダイジョウブ。あなたのこともちゃんと止めてあげるから。セルシウス」

 フェイリオ――ああ、そうだな。助けてやれ。精霊の心を消されることを誰より憤った、あのセルシウスに戻してやれ。お前ならできる。
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