異なる物語との休日〜クロスクエスト〜
休日のB
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……
「お客様方、お風呂のご用意ができました。大浴場へどうぞ」
「「「「ズゴ―――――ッ!!」」」」
「「「「風呂屋かよッ!!」」」」
何をしに来たのかと思えば、アスリウは従業員だった。しかも風呂当番だった。
彼を送り込んできたのは十中八九《白亜宮》の者であろう。それも多分アイツだ。《主》だ。
本当に何がやりたいんだ……セモンがそんな事を内心で思っていると、突然振り返ったアスリウが、ドヤァと笑って言った。
「やだなぁ。ただの暇潰しに決まってるだろ?」
思わずぶん殴ったら易々と回避された。余計頭に来た。
***
セモンたちの男子部屋と反対、女子部屋へと通されたコハクは、そこで初めて会ったながらも、どこか懐かしさを感じさせる少女たちと団欒していた。
「うわぁぁっ……コハクちゃんババ抜き強い……!」
「まぁ……鍛えられてるから……」
中本理奈と名乗った黒髪と白黒マフラーの、快活げな瞳の少女が笑う。それに対して、コハクは苦笑で答えた。
現在コハク、リナ、皇季桃華、姫乃臨花、そして華之美紗奈は、サナ持ち込んだトランプによるババ抜きに興じていた。野生動物を容易に超越する直感能力を有するセモンとやり合っていくために無駄に鍛え上げられた直感で、コハクはそこそこ良い戦績を上げている。まぁ他のみんなもかなり強いので五分五分なのだが。
――――みんな苦労してるんでしょうね……。
どこか遠い目をしてしまうコハク。この中では新羅北斗を除けばコハクが最年長だ。彼女はミヤビ、マリー、桐ヶ谷時雨葉、七星音緒と一緒に飲み物を買いに行ったので今はいない。
「それにしても素晴らしい直感です。SAO時代はさぞ優秀だったのでしょう?」
「うーん……周りがチートだらけだったから……ちょっとね。それに、ここぞという所で無力だったから」
アリス・ツーベルクと名乗った金髪の少女の問いに、再び苦笑で答えるコハク。SAO時代だけでなく、無限の仮想世界を旅していく中で、本当に必要な時にセモンの力に成ってやれなかったことは何度もある。それがひどくつらかった時期もあった。
「……わかります。私にも、経験がありますから」
しかしアリスは、神妙な顔でうなずいた。
この少女は、キリトの友人である世界初のボトムアップ型AIの完成形、《ALICE》のアリス・シンセシス・サーティとは別人の、本物の人間だ。当然あのアリスとは別の歴史をたどっており、どことなく雰囲気も異なっている気がする。
雰囲気が違う、といえば。
「それはきっと、ここに居るみんなに経験があるんじゃないかな。私も、
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