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エクシリアmore −過ちを犯したからこそ足掻くRPG−
第三十二話 矛盾と合致と冷徹
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揃えて一人で先に行くという真似はしていない。
――空中戦艦の奪取自体はスムーズに進んだ。中でも大きな働きをしたのは、四大精霊を従えたミラ=マクスウェルだった。
戦艦の兵士など物の数ではないと言わんばかりの、地水火風の精霊術の大盤振る舞い。結果として、空中戦艦から投げ出され、地上に落ちて行ったエレンピオス兵もいた。
一言、やりすぎだった。
何だ? 何があのミラを変えたんだ? 〈槍〉の中に囚われていた間にミラに何があったんだ?
と。考えている間に、イバルがミラに近づいた。
イバル、今、ミラに話しかけるのは特攻に近いぞ。大丈夫か?
「ミラ様、よろしいですか?」
ミラは答えない。イバルのほうを向きもしない。
「先ほどの戦いのことです。あれは、その――些か、度が過ぎていらしたのではないでしょうか」
ミラは答えない。
「も、もちろんミラ様を責めているわけではありません! ただ、何といいますか、」
「イバル」
「! はいっ!」
「うるさい。近づくな」
……轟沈した。イバルは肩を落としてふらふらと去って行った。
強くなれ、少年。
「パパ、いい?」
「どうした」
フェイリオは一度俯き、言葉を探すような間を置いてから、顔を上げた。
「メイスのこと、なんだけどね」
メイス。ジランドの部下であり、もしかすると私やフェイと〈同類〉かもしれない少女兵。
「わたし、メイスの顔、見たことあるの。ずっと確信が持てなくて言えなかったんだけど。あの子、髪と目の色がね、ユリウスおじさんに似てた。ううん、おんなじだった」
フェイが言わんとする所が分かった。躊躇った訳も。
「メイスが兄さんの縁者だと――?」
ありえない話ではない。私自身、こうして二人の娘を儲けた。全く違う方向に伸びた枝の先に、ユリウスが子を授かる世界があってもおかしくはない。兄さんが私と同じ考えをもって、娘を正史世界に送り込んだとしても納得は行く。
下手をすると、メイスは時空を超えた私の姪っ子という可能性があるわけだ。
「パパ、なに?」
「いや。フェイ、もしかしたらメイスはお前の従姉妹かもしれないぞ」
「イトコ……」
待て。そこは目を輝かせる所なのか? 確かに親類縁者などマータ家の義父母(フェイにとっては祖父母)しか知らせずに育てたが……
ズンッ
「なっ!?」
「あぅ…!」
これは……〈クルスニクの槍〉のマナ搾取を受けた時の感覚……!
「〈槍〉の、マナ吸収機能…っ、リーゼ・マクシア中に、広がってく…!」
まさに炉心、というわけか。エレンピオスの現状を鑑みれば、むしろこのやり方は易しくさえある。そう思ってしまう程度
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