暁 〜小説投稿サイト〜
ひねくれヒーロー
人間ほど不思議なものはない
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は中々だね」


「・・・もう、獣は出さないの」


「そうだね、体術使いだと分かったし・・・どれだけの腕前か確認する事にするよ」


繰り出された拳を右手の甲で逸らし、左手で逸らしたサイの腕を掴む

そのまま足払いをかけて、勢いに乗せて投げ飛ばす??背負い投げもどき


受け身をとって、再びこちらへ向かってきたサイの体を蹴りつける

あまりにも軽い蹴りに不審げに眉を寄せるサイ


その隙を見逃さず、両腕を引っ掴んで上空へ蹴りあげた

オレも上空へ飛びあがり、回し蹴りを喰らわせる



蹴りの衝撃を殺す為、自ら後方へ飛んだサイ

嘲笑うように目を開いて叫ぶ






「やっぱり重みがない
 そんな蹴りじゃボクは?????っ!?」






木を足場に態勢を整えようとした????はずだった



木々の間に張り巡らされた糸という糸が絡みつき、足に力を込める度に糸が弛んで尻もちをつく

もがけばもがくほど糸が絡みついて来るなか、持っている短刀で糸を切ろうとする

だが刀を跳ね返すほどの伸縮性がそれを阻む

ハサミなら切れるんだけどなぁ



「残念、その糸は刀じゃ切れない
 ・・・かすみ網という罠だ」



もがき続けて糸がこんがらがったサイ

不満げに眉を寄せている






「・・・ボクの負け、だね」








溜息をついて、油断するからだよと声をかけた













その後、すぐトルネがやってきてオレ達を叱りつけた

自分の許可なく勝手な行動をしたことを怒っているらしい

・・・普段フーに頼りっきりな癖に

今回は全面的にサイが悪いというオレの主張を聞き入れ、ただいまサイは正座中

お説教されながら正座する姿は中々面白い



そしてオレは枯れ木を集めて火をつけた

川に飛び込んだときより、大分服は乾き始めているが生乾き状態で気持ち悪い

すぐにでも脱いで着替えたいところだが、傷跡を晒す気にはなれない


そんな気分で仕方なしに焚火をつくり、体を温めた


水分を絞れる所は絞り、服を脱がずに乾かそうと努める


ズボンの裾を絞ろうとして、足首に異変を感じる

・・・飛びこんだときに捻ったかな


足を動かして確認

温めて湿布を貼っていれば治るだろう

そう思ってしゃがみこんだ状態から立ちあがる



お説教が終わったサイが、こちらに向かってきていた



「・・・何だ?」





謝りにでも来たのだろうか


サイは手を伸ばしてくるので、和解の印
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