人間ほど不思議なものはない
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・・・
ペアを組むんだ、キミの実力を知っておきたい
これから手合わせしよう・・・いくよ」
青褪めフーの名を心もとなく呼びつづけるトルネを放置し、根の演習場へ向かった
森の中の広場、近くに小川が流れ、クナイや手裏剣の的が配置されている
根だからといって、他の演習場と変わりはないらしい
広場の真ん中で向き合うと、早速サイが巻物取り出した
巻物に素早く絵を描くと、そこから獣が二体飛びだしてくる
こちらに襲いかかる墨の獣を避ける
二体ともオレを挟みこむよう位置取り、牙を見せて威嚇してくる
川の距離を確認し、起爆札を五枚ほど四方に投げて走り出す
時間差で爆発した起爆札に目がくらんだサイはその場にとどまった
様子見も兼ねているのだろう
だが、爆発などお構いなしにオレを追う獣
オレが川に飛び込むと、怯んだように川縁でうろつく
川の中でどうしたものかと思い悩む
オレの武器は短刀、クナイ、起爆札
毒を仕込んだ短刀を使うには、相手の懐に飛び込む必要がある
飛び道具としてクナイを使っても、サイの身のこなしの軽さから考えてすぐ避けられるだろう
起爆札で墨を四散できても、新たな獣を描かれれば一進一退も良い所
なるべく狐火を使う真似はしたくない
仮面をつけて素性を知られないようにしているというのに、使う術で身元がばれれば意味がない
体術使いとして戦うべきか
悩んでいても仕方がない
印を組んで分身を作る
分身を川から飛び出させ、獣の気を引き、もう一度起爆札付きクナイをサイに向かって投げた
爆発に生じてカタパルトで一気に森の中へ
森の中で新たに分身を作り、身を隠して作業を進める
最初の分身体がやられた
次の分身は逃げ回り続けている
もう少しだけ逃げ回っていてくれ
そう思いながら木々の間に伸縮性に富んだ糸を張り巡らせる
分身が獣に切り裂かれて消えた
・・・あれ、本体だったら病院行きじゃないのか
仮にも今後ペアを組む相棒に何を考えているのやら
再びカタパルトで移動、わざと気配を消すのを止めて樹上から大地に降りる
オレの気配を感知し、素早く獣を向かわせるサイ
自分から手は出さないってか?
クナイを取り出して、獣に一太刀、墨に帰す
サイの足元にクナイを投げつけ、奥へ奥へと追い立てる
近づいて足を払って、態勢を崩すサイの首を狙ってひじ打ちをかます
・・・あっさり避けられてしまった
「ふーん・・・体術使いかな
重みはないけど、技のキレとスピード
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