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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story7 棘のある罠には十分ご注意下さい。
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子を見てあたふたしてた私にアンタ」
「お腹空いたー。今日の晩ご飯何にしようかなー?」
「って、人の話聞けーーーっ!」
話を全く聞かずに呑気な事を呟いているコテツにルーシィは噛み付くような勢いでツッコミを入れた。
このあまりの呑気さに、時々苛立つ時もあるのだが、この呑気さがコテツのキャラであり、良い所でもあるのだ。
(ホント、なぜか憎めない存在なのよねぇ。コテツは。)
隣を歩くコテツの横顔を盗み見て、なぜかルーシィはそんな事を思うのだった。
「・・・ねぇルーシィ。」
「ん?」
「ルーシィは確か、お母さんもお父さんも、もういないんだよね?」
「うん、そうだけど・・・それがどうかしたの?」
「・・・どんな人だった?ルーシィから見て、お母さんとお父さんは?」
何でいきなりこんな質問をするのか、自分が聞いているのに相手の顔を見ようとしないコテツの事を不思議に思いながらも、ルーシィは既にこの世にはいないママとパパの事を思い浮かべながら話し始めた。
「まず私のママはね、私と同じ星霊魔道士だったんだー。私が生まれる3年前に体壊しちゃって引退してたんだけど。優しくて、星霊にも愛されてて、本当に素敵な人だったんだー。・・・パパはね、ずっと家と仕事の事しか頭に無い人だった。1時期家出してた私を連れ戻す為に、
妖精の尻尾
(
フェアリーテイル
)
と
幽鬼の支配者
(
ファントムロード
)
を交戦させた張本人なの。ギルドを破壊されて、たくさんの仲間が傷ついて・・・私は、パパを許さなかった・・・・!」
その時の事を思い出したのか、ルーシィの両肩が小刻みに震え始めた。
「・・・でもね、仕事とお金の事しか頭に無くて、怖くて、大嫌いなパパも私の事、ちゃんと愛しててくれてたの。それが分かった時は、すっごく嬉しかった。私はママからもパパからも、ちゃんと愛されてたんだ。」
胸に両手を添え、ゆっくりと目を閉じるルーシィを見て、コテツは口元にどこか寂しげな小さな微笑を浮かべた。
「コテツは?」
「え?」
「何よー、アンタから聞いてきたのに教えてくれないの?コテツのママとパパは、どんな人なの?」
先程自分がした問いをルーシィも同じように問い掛けてきた。コテツは自分の顔を見つめるルーシィの大きな茶色い瞳から顔を逸らし、恐る恐る口を開いた。
「・・・ない。」
「え?」
「・・・分からないんだ、僕のお母さんとお父さんの事。それ以前に、僕に、“お母さん”と“お父さん”という
存
(
・
)
在
(
・
)
がいたのかさえも・・・・」
「!!?」
ルーシィは声にならない驚嘆の声を上げた。そして今になって気づいた。
(私は、コテツの事を・・・何も、知らない―――――。)
ルーシィが
妖精の尻尾
(
フェアリーテイル
)
に
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