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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story7 棘のある罠には十分ご注意下さい。
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はやはり仕込まれた所作(しょさ)でいちいち一礼をしながら答える。

「そして、イブキ様の()()であるウェ」
「誰が愛人だーーーーーっ!?」

遠回しな言い方ではあるが、妙な勘違いをしているアイムの言葉を切り捨てるようにイブキが怒鳴りながら遮る。

「ウェンディはギルドの仲間だっ!もちろんシャルルもだからなっ!」

紫と赤のオッドアイを更に鋭くさせながら言う。

「・・・どうやらあなた様の思い過ごしだったようでございます、グラミー様。」
「お前が言ったのかっ!?」
「なーんだーっ。てっきりーっ、出来立てーっ、ホヤホヤのーっ、恋人−っ、同士−っ、かとーっ、思ったーっ、のにーっ。つまんないのーっ。」
「あのなァ・・・!」

グラミーの異常を軽く超えた思い過ごしに、怒りを露にしたイブキが固く握り締めた拳で殴ろうとするが、こんな時に限って手錠で繋がれている為、チッ、と舌打ちしながらしぶしぶ殴る事を断念する。そんなイブキをグラミーは面白可笑しそうに見つめていた。

「話を戻させて頂きます。」

1人冷静を保ったアイムが再び話し始めた。

「イブキ様の“お仲間様”であるウェンディ様とシャルル様は、この牢から3つほど離れた牢にいらっしゃいます。イブキ様が目覚めるほんの10分ほど前にお2人はお目覚めになられ、その時も(わたくし)とグラミー様がそちらに訪ねに行きました。」
「いちいち“お仲間様”って強調するんじゃねェ・・・!」

再び怒りを露にするイブキだが、今度はすぐに冷静を取り戻した。

「そして最後に」
「あー、それは言う必要はねェ。今までの説明でほとんど理解したからな。」

イブキの、「俺達をどうするつもりだ?」という問いを説明するべく口を開いたアイムの言葉を、質問したイブキが遮った。

「風の噂は伊達じゃねェんだな。ここ、街の人達は“薔薇屋敷”って呼ばれてるみてーだけど、薔薇の女帝(ローゼンエンプレス)には“見たものを石化させる魔法を使う魔道士がいる”っていう噂を聞いた事があるんだ。それ(プラス)、訪れた者を石化して()()()()()()にするっていう噂も聞いた事あるぜ。」

イブキの話を、アイムとグラミーは口を挟む事無く黙って聞いていた。

「今俺が言った事と、アイムだっけな?お前が言った事を全てひっくるめて考えられるのはただ1つ―――――。」

紫と赤のオッドアイで、目の前にいる“闇”を真っ直ぐ捉えた。



「―――――薔薇の女帝(ローゼンエンプレス)は、奴隷商なんじゃねェか?」



薄暗い部屋の中に、イブキの淡々とした声がやけに大きく響いた。

「俺達みたいに罠に嵌まってノコノコ訪れた人間を石化させ
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