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FAIRY TAIL ―Memory Jewel―
第1章 薔薇の女帝編
Story7 棘のある罠には十分ご注意下さい。
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様と、バンリ・オルフェイド様でいらっしゃいますね?」
「・・・ここで「違う」とか「誰だ?」とか言ったら見逃してくれるのか?しょうも無い事をわざわざ聞くな。」

バンリの言葉にアイムはほんの一瞬だけ驚いたように光が射していない、黒みがかった青い瞳を見開いた。

「驚きました。先程イブキ・シュリンカー様にも全く同じ事を言われたばかりでございます。」
「イブキが?」
「イブキは、ウェンディ達はドコにいるんだ?」
「誠に申し訳ないのですが、それは内密でございますので(わたくし)の口からは語る事が出来ません。」

慇懃な言葉で謝罪を述べ、アイムは再び仕込まれたような所作(しょさ)で一礼をした。
エルザは別空間から剣を1本取り出し、

「言わぬなら、力ずくで言わせるだけだ。」
(わたくし)はどんな事があろうと、この口を割るつもりは一切ございません。」

剣を構え、今にも駆け出そうとするエルザの左肩を掴んでバンリが引き止めた。

「何をしている!?一刻も早く奴を倒してウェンディ達の居場所を」
「焦るな。」
「!」

バンリはたった一言でエルザを押し黙らせると、紅玉(ルビー)のような赤い瞳にアイムを捉えて呟いた。



「お前、()()使()()()()んじゃないか?」



「!」
「何だとっ!?」

バンリの言葉にアイムは再びほんの一瞬だけ目を見開き、エルザは驚嘆の声を上げた。

「エルザが剣を取り出した時、お前は魔法も放とうとせず、魔法道具(アイテム)も取り出さなかった。遠距離系の能力(アビリティ)系の魔法かと思って周囲からの魔力の反応を探っていたが、そのような反応は一切感じ取る事が出来なかった。それ故、普通相手が攻撃しようとしたら、魔法を繰り出すか避けるかのどちらかだ。避ける為には身構えるはずだが、お前は身構えもしなかった。以上の事柄から考えられる事はただ1つ―――――。お前は魔法を使えない、という結論だ。」

バンリは正論を表情を一切変える事無く淡々と述べる。エルザとアイムはただ黙って聞いている事しか出来なかった。
するとアイムは1拍1拍ゆっくりとした拍手をした。

「全て、バンリ様がおっしゃったとおりでございます。(わたくし)は魔法を使えない、無防な人間でございます。」

左手を胸に当て、仕込まれたような所作(しょさ)で一礼をした。

(相手の行動を瞬時に見ただけで、これだけの事を瞬時に考えたというのか・・・!?な、何という洞察力・・・・!)

エルザは未だに隣に立っているバンリの言動に目を見開いていたが、すぐにいつもの冷静さを取り戻し、剣を構え直してアイムに問い掛けた。

「貴様が魔法を使えない、そして私が攻
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