マブラヴ
0856話
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しょ?」
「勿論」
ジト目を向けてくる円にそう言葉を返し、少し離れた場所からこっちへとジト目を向けている夕呼に軽く手を上げてから、千鶴の下に殺到しているレトルト食品の味見希望者を円に任せ、会場の外へと向かう。
「確かにこのガン・ルゥとかいう機体は扱いやすいな。戦術機に比べるとパイロットの負担が驚く程少ない」
「それは、この機体に殆ど跳躍する機能とかが無いからだろう?」
「そりゃそうだろ。元々こいつは戦術機の代わりじゃ無くて、戦車に近い機体として注目されてるんだから」
「……性能はともかく、戦術機のようにバッテリーが使えないのは痛いな」
「あー、それは痛いな。エナジーフィラーだっけ? サクラダイトとかいう異世界の鉱物がエネルギー源らしいけど、それを考えるとなぁ……」
ガン・ルゥが5機程並んでおり、それぞれに搭乗を希望する各国家の軍人達が並んでいる。
こうして見る限りでは、並んでいるのは戦術機パイロットだけではないらしい。まぁ、戦術機適正で弾かれた者も乗れるってのを売りにしている以上、ある意味当然ではあるが。
操作性に関してはやはり戦術機よりも格段に上なのだろう。たった今降りてきた人物も、特に乗り物酔いをしているようには見えない。
「こっちは特に問題は無いか」
「ん? おお、アクセルか。ガン・ルゥの件、ありがたい」
俺を見つけたゴツい男、陽光から派遣されてきた洪古がそう言いながら近づいてくる。
その表情が明るいのは、やはり処分に困っていたガン・ルゥの評判がいいからか。
「どうやら盛況らしいな」
「うむ。ただ、ガン・ルゥは性能の面でどうしてもSEED世界のストライクダガーには劣るからな。寧ろバッテリーの関係であちらの方が有力機種ではないか?」
「ああ、だがいきなり全部を出す訳にはいかないだろ。少しずつでもこっちの技術に慣れさせる時間も必要だしな」
「……なるほど。それでガン・ルゥか」
頷き、中東連合の軍人と思しき男がガン・ルゥに乗り込むのを眺める洪古。
中東連合やアフリカ連合にしてみれば、アラビア半島防衛戦の件があったのだから少しでも戦力を増やしたいところなのだろう。
戦術機適正で落とされた軍人でも乗れるガン・ルゥというのは、まさに垂涎の的の筈だ。
洪古とこの世界について話しつつ、この日の展覧会はこれ以上の騒ぎが起きるでもなく無事に終了する事になる。
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