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英雄は誰がために立つ
Life3 天と地の局地戦
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のだった故、この機会に極めて見ようと選んだのだ。

 そうして年々、力量を上げていきながら考えていた事が有った。

 (魔術属性が剣である俺が、無手の才能は生まれたのに剣術の才能が無いとは、なんて皮肉なんだろうな)

 と、自嘲気味だったのだから。とはいえ、無いもの強請りをした事のない士郎は只、以前の《衛宮士郎》の頃から変わらずに愚直なまでに積み重ねていくだけだった。
 その形こそが、『―――士郎』なのだから。

 そこに、コカビエルと対峙していた内一人であるゼノヴィアの怒声が、士郎の鼓膜に響いてきた。

 「如何いう意味だっ、コカビエル!」

 彼女の形相にも目もくれずに笑い飛ばしたコカビエルは、口の両端を愉快そうに吊り上げながら説明しだした。

 聖書に記された3大陣営間のかつての戦争で死んだのは、悪魔側の四大魔王だけではないと天使側の神も消滅したのだと言うのだった。
 しかしながら四大魔王の事は兎も角、神の消滅については重要機密事項とされたようだ。
 その事にも詳細に説明されてしまい、ゼノヴィアは崩れ落ちアーシアもあまりのショックに気絶してしまった。

 「俺は戦争を始める、これを機に!お前たちの首を土産に!俺だけでもあの時の続きをしてやる!我ら堕天使こそが最強だと、サーゼクスにもミカエルにも見せつけてやる!」

 聖書にも出て来る有名な天使の名に、臆面も見せずに戦争を仕掛けるというコカビエルの言葉にリアスを含む眷族らは委縮してしまった。只一人を除いては・・。

 「ふざけんな!お前の勝手な言い分で俺の街を、俺の仲間を、部長を、アーシアを消されてたまるかっっ!それに俺はハーレム王に成るんだぜ、テメェに俺の計画を邪魔されちゃ困るんだよ!」

 そんな弟分の発言に、士郎は誰にも聞こえない様に「なんでさ」と口にした。

 「ククク、ハーレム王?ハハハ、赤龍帝はそれがお望みか。なら俺と来るか?直にハーレム王に成れるぞ?行く先々で美女を見繕ってやる、好きなだけ抱けばいい」
 (おいおい、いくら一誠がオープンスケベだからと言って、そんな話に乗る訳が・・)

 と、一誠を見れば徐々に涎を垂らしながら一時停止していた。

 「ハッ!?お、おおおお俺がそんな甘い言葉に、(じゅるり)だ、だだ騙されるモノかよ!(じゅるじゅる)」

 我を取り戻しつつ涎を戻しながらコカビエルに言い放つ一誠に、士郎は何時から自分の弟分はこんなにも残念になってしまったんだと、右手を聖骸布越しで額に当て乍ら嘆いていた。

 そんな士郎の隙を狙ってか、もう最後の一匹であるケルベロスが背後から襲い掛かるも、最初に肘打ちで鳩尾に入れてその衝撃で吹き飛ぶ直前に強烈な裏拳で中央の顔に居れて牙の何本かを砕く。しかもよく見れば、いつの間にか
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