Life3 天と地の局地戦
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度こそ躱させることなど不可能な距離を詰めていたため、確実に捉えられたと思ったものの、奴の体を突き抜けていった。
「『何!?』」
貫いたのではない。幻術か立体映像化は知らぬが、すり抜けだのだった。
『私はこれで失礼させてもらう』
「逃がすと思うか!?」
『攻撃の当たらない相手をどうやって捉えると言うのかな?』
その言葉にヴァ―リは歯噛みする。
『・・・・私は一応Kraと名乗っている』
「・・・何故それを俺に言う・・」
『何、君らが今も直、私の事を塵芥に変えたいような表情をしているから、チャンスをやろうと思ってな。ヒントでも与えない限り、私の事を追えないだろう?旧・ルシファーの忌み子や自称二天龍の白蜥蜴風情では、難題も良い所だろうからな』
『貴様・・・っ!』
「・・・・・・」
あまりの侮辱に白龍皇コンビは激情を募らせるものの、攻撃が当たらないと理解しているので何とか自制していた。
『まぁ、覇龍を使わなかったことだけは評価しておこうか。当たらなければどれだけ高威力になろうと、意味を為さないからな。低能にしては良くやったと言えるか』
この言葉にヴァ―リは、歯で噛んでいた唇から口内にて出血が迸り、両腕の血管が浮き出ており今にもブチ切れそうだった。
『ではな、次の邂逅を楽しみにしていてくれ』
「ああ、次こそは貴様を消滅させてやるっっっ!!」
『・・・・・そうか。では期待せずに待つとしようか・・』
最後まで皮肉気味の言葉と共に、その場から消え失せる仮面の人物Kra。
それに何時の間にか、周りの残存していた異形の群れも居なくなっていた。
これがヴァ―リたち――――いや、いずれD×Dと呼ばれる対テロリストチームとの戦いの中の最初の邂逅となった。
−Interlude−
リアスと眷族対コカビエル、魔術師藤村士郎対ケルベロスの群れとの戦いは続いていた。
また一匹倒したところで、背後から新たなケルベロスが士郎を噛み殺そうと牙をむいて来る。
「グォオオオオオオオオ!!!」
『フン!』
振り返りもせず背後に居たケルベロスに、強烈な肘打ちを鳩尾にお見舞いする。
その一撃により、3つの口から吐血したまま崩れ去るケルベロス。
戦闘の最中、士郎は思い出していた。
士郎はこの世界に来てから戦闘面で役に立つ、とある才能を獲得していた。
それは剣術の才能――――では無く、徒手空拳の才能だった。
その才を得られた士郎は17年間ちょいの間、ひたすら鍛錬に励んでいった。
士郎が選んだ無手の武術は中国拳法。それは衛宮士郎の時からある程度修得していたも
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