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英雄は誰がために立つ
Life3 天と地の局地戦
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 『ふむ。取り消させたいのであれば、君の一番の自慢である“力”で無理矢理させればいいのでは?』

 その言葉に、言われずとも!と心の中で吐きつつ殴り掛かろうとするが、ものの見事にすべて躱されていく。
 しかし、ここでヴァ―リに待ったをかける声が有る。

 『ヴァ―リ、そのような素顔を晒す事の出来ぬ馬の骨『フフ』何だ貴様・・っ』
 『ふむ?これは失礼したな。だが、まさかあの名前負けの堕龍に、その様に評価されるとは微塵も考えていなかったものでね』
 『堕龍だとっ!?何所の田舎ものかは知らんが、二天龍と呼ばれた内の一体の我の事を知らんとは甚だしいにもほどがある・・・・っ!』
 『既に神器(セイクリッド・ギア)の分際で吠えるとは・・。甚だしいのは一体どちらだと言うのだろうな?いや、これは二度にわたって失礼した。自身のあまりの矮小さ故、二天龍と自分を称して身を守るしかなかった只の白蜥蜴だったと言う訳か・・。悪かったな、自称二天龍の片割れアルビオン』
 『〜〜〜っっっっ!!――――肉片どころか、魂魄の一片すらも残ると思うなよっ、下郎!!』

 と、この様にストッパー役に唯一成り得るであろうアルビオンすらも挑発して、今に至っていた。

 仮面の人物は回避動作だけでは無く、拳銃で応戦していた。
 確かに撃ちはするものの時たまに、銃が掌の上で独りでに分解したかと思えば、一つ一つの部品が膨張して巡洋艦の主砲並にでかくなったりする事もあった(一発撃つごとに元に戻る)。

 あまりにふざけた攻撃故、ヴァ―リが文句と質問を同時にする。

 「何だ、それは!?随分とふざけた攻撃だな!」
 『魔と科学を融合した魔科学による力だ。れっきとした技術をふざけたモノとは、そのような観点しか持てないのは同情したくなるほど哀れだな。それに君と君の祖父程ふざけてはいないはずだが?』
 「一々奴の話を持ち出すなぁああああ!!」

 空中を自在に飛びながらの直接攻撃や魔力弾を撃ち込むなどの猛追をしているモノの、仮面の人物はそよ風のように受け流す。

 『フフ、そのぎらついた瞳など、本当にリゼヴィムによく似ている。だが、威勢の良さしかとり得がないのかな?白蜥蜴の宿主よ』
 『「きっさまぁああああああああああああああ!!?」』

 この様に挑発される白龍皇コンビ。
 挑発した本人は避け続けながらも冷静に観察していたが・・。

 『ふむ、そろそろか・・』

 相槌を打ちながら一人納得している仮面の人物の隙を、ヴァ―リは逃さなかった。

 『(ここだ!)』

 ヴァ―リは、後方に魔力弾を撃ち込むことで自分の速さにブーストを掛けて、遂に捉えたと確信しながら殴り掛かる姿勢のまま仮面の人物に突貫していく。

 「『もらった!!』」

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