第11話 亡霊、守護者を蹂躙する
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刃衛が振り下ろした刃で鮮血が舞った……しかしそれは美琴達の血ではなかった
「ぐっ……!」
美琴とカナを守るために千鶴が庇ったのだ
「千鶴さん…!」
「そ、そんな…!」
自分達が守るはずが逆に守られてしまい、2人の心は悔しさでいっぱいだった。一方の刃衛は傷を負った千鶴の様子を見て一瞬呆けるがニヤリと不気味に感心する様な表情を見せた
「ほう、なるほど……そういえば忘れていたぞ。お前がそういう存在だと……」
「え?」と美琴とカナは刃衛の言葉の意味が分からなかったが千鶴の傷口をよく見ると血は出ていたのに傷口そのものがすでに塞がっているのだ
「千鶴さん…傷が」
「どういうこと…?まさか、自動再生?」
カナと美琴が疑問を呟くが千鶴は答えず、代わりに刃衛が答えた
「何だ…雪村は話してないのか?自分が鬼だということを……」
「っ!!」
刃衛にそう言われると千鶴は唇を強く噛み締め、口の端から一筋の血が流れた
「千鶴さんが、鬼…?」
「で、でたらめよ!大体なんで傷の治りが早いだけで鬼になるのよ!」
美琴の叫びが気に入らなかったのか刃衛は溜息を吐きながら説明を始めた
「はぁ…何も分かってないな小娘…この世にはな、お前が知らないことが腐るほどあるんだよ。そもそも雪村家とは…」
「動くな!」
「「「!!!」」」
「ん〜〜?」
突然威厳のある男性の声が響き、千鶴たちはその声に反応し、刃衛は気だるそうに振り向いた。十数人の重装備した部隊が刃衛を包囲したのだ。そしてその隊長の男は刃衛に投降する様宣告する
「警備員だ!!そこの黒笠の男!貴様には学園都市の不法侵入の容疑がかけられている!大人しく我々の指示に従え!」
不良たち辺りなら警備員という名前だけで怯むがこの男はそんな甘い男ではない。幕末という戦乱を生き延び、闇の中で人を斬り続けたこの男にそんな警告|《モノ》は通用しなかった
「ほう?この街の治安部隊か…どれ、どの程度の実力があるのか試してみようか」
そう言うと刃衛は刀を構え、一気に警備員に踊りかかった。それを見た千鶴は一気に表情が青くなった。これから起きるのは戦いではない……ただの殺戮だと
「だめ…だめだよ……みんな……みんな逃げてーーーー!!!」
千鶴の悲鳴が響くが次の瞬間に響いたのは…
警備員の悲鳴と刃衛の狂った笑い声だった
「ぐぁあ!!」
「ぎゃああっ!!」
「うふふふはははははははは!!」
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