祭の終幕と夢の開幕
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葵姉? あれは論外だ。葵と熱田レベルに生物範疇外だ。
武蔵の一般人代表として向井は守らなければいけない……ああ、絶対だ……。
重い覚悟を作りながら、近づいてきたハクが警戒を続けながらこちらに近寄る。
「首にお怪我でも?」
「あ……い、いや……走狗が……!」
言葉少ない言い分で理解してくれたのだろう。
少しだけ表情を変え、膝立ちになってこちらの首元を見る。
「参りましたね……走狗関連なら留美の管轄で……───いや。丁度良かったみたいですね」
「は?」
何がだ、と答えを問う前に、視界が暗色に染まった。
何らかの攻撃か!? と思うが前に黒色に意識が同調してしまい、せめて首元に手を置く事だけは念頭にした。
───は!?
急速に目が明けて見たものは巨大な立体であった。
何だこの立体は……!?
何故か驚愕する自分に逆らえずに瞳孔が開いた気がする。
何故だ。
何故か、この立体は大きいと驚愕する存在な気がするのだ。
この謎のロジックで生まれる遺憾という感情はなんなのだろうか……そう思い、思わず両手を上げてそれを掴むと
「きゃっ」
立体から声が聞こえた。
違った。
厳密に言うとその立体は付属物だ。
自分の状態も頭だけが浮き上がっており、後頭部に下に何か温かいものを引いている感触。
膝枕であった。
そして掴んでいるのは巨乳であった。
そしてしてくれている人物は浅間であった。
……これは何のイリュージョンだ!?
「どこだ智……! これだけ呼んでも見つけられないとは! 足りないというのかこの偉大なスピリチュアルブラスターが……! く……いや、まだだ! 俺達の前にどんな壁や問題があっても俺がぶった斬れば何の問題もねえ……! そう! そして最後は俺と智の合体……! ってこれ街頭じゃねえか! 畜生……俺の巧みな妄想力によって補われた俺の脳内イリュージョンに騙された……!」
……今までの記憶はもしかして自分の都合のいい脳内妄想によって生み出されたイリュージョンではないで御座ろうか。
思わず、そう考えつつも倫敦塔を登るのは止めない。
ここまで来るのに傷有り殿とこの祭りを見回った。
と言っても、どちらかと言うと自分がエスコートされていたようで少々、面目ないというか。
忍者としても男としても微妙に情けない気がする。
……いやいや。これは倫敦塔に登るための作法。作法で御座るよ?
傷有り殿が語ってくれた作法だ。
うちの外道メンバーなら間違いなく、ここで"来る"所だが、彼女なら安心を通り越して癒される。
鈴殿と同レベルの清浄度である。
疑うなんて以ての外で御座る。
これで相手が喜美殿やナルゼ殿なら間違いな
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