祭の終幕と夢の開幕
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が相手でも?」
「たかが妖精女王が相手でもな」
ニヤリ、と互いに口を綻ばせる。
お互いに殺意は一切ない。
こちらもあちらも挨拶程度の物と弁えている故の挑発であり、一種の友愛表現である。
何せお互い同レベルの格だ。
その気がなくともつい口が軽くなる。
背後の副会長やら女王の盾符のメンバーは青くなったり、赤くなったりしているけど。
「不敬だな。武蔵副長。貴様の口先で英国と武蔵に亀裂を入れるほどの権限を持っているという傲慢か? 付き合わされる武蔵が可哀想だろうに」
「おいおい、お前こそ。ここをどういう場だと思ってんだ? ここは今、祭り。無礼講ルールだぜ? 子供も大人も一緒に楽しむ場所に政治を持ってくるのはそれこそ無粋じゃないのか? それとも妖精女王には冗談も遊びも通じないっていうのかよ?」
とりあえず最後まで周りのストレスを高めておいて俺はあっさりと妖精女王に背中を向ける。
相手もそれに関しては特に何も言わない。
ここは祭りの場だ。
英国と武蔵の態度を決める場ではない。
相対ロワイアルを持って武蔵は武力的に対等というのを恐らく示しただろう。
こんな風に総長連合と生徒会を含めるメンバーと女王の盾符と相対し合っている状況からもそれは間違いない。
ま、どうせこの後も面倒臭い状況になるだろうけど……
そこら辺は出来る奴に任せる。
具体的には負けてはいけないと今、奮起をしているヅカ副会長とかに。
何と勝負しているかは定かではないが。
まぁ、でもこの場所で男を見せる立ち位置にいるのはどうやらぶっ倒れている忍者みたいである。
最後まで向こうのメンバーで頑なにこちらを見なかった妖精女王と激似の少女。
歩幅や仕草からそれが点蔵と親しげに語りあっていた傷有りというのは理解している。
まぁ、それについて問うのが野暮である事くらいは理解できているので俺はだから違う相手に問う。
「おい、トーリ」
「何だよ親友。このタイミングで俺のケツチューを希望か……おいおいおい、まるで絵が変わるくらいに力強い拳で殴られたらか弱い俺は儚く死ぬと思うんだがそこんとこどうよ!?」
「どこに躊躇う理由があるかさっぱりなんだが?」
酷いと嘘泣きを始める馬鹿を無視して
「決めたか?」
「モチのロンよ」
そうかと俺は答え
そうだぜとあいつも答え
パァン、といい音を互いの手の平で生み出した。
阿吽の呼吸による最高の片手ハイタッチ。
色々と考えてたり、何やりしてた頭の中を全て吹っ飛ばすような爽快感。
酒とか薬とかでは到底及ばないハイテンション。
この世界全てを敵に回してもいいこのテンションを他の人類が経験した事がないんじゃね? と思うともうマジで笑っちまう。
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