祭の終幕と夢の開幕
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までも夢を見続けてしまっているから」
彼女がお菓子を食べる手を止めるのを理解するが気づいていない振りをしてお茶を飲む。
少しだけ沈黙と私のお茶を飲む音が響くが、碧ちゃんも直ぐにお菓子に再び手を付け
「聞くまでもないし、失礼な質問なのかもしれませんが……留美さんはうちの神様の事が好きなんですよね?」
「私がどう思っていても、シュウさんには関わりはない事ですよ?」
「Jud.───つまり告白はしたんですね?」
「見事に玉砕しちゃいましたけどね?」
苦笑でこちらが笑うのを見たからか。
少しだけお菓子を動かす手が何時も通りの動きになってくれているのを見て、自分も再び小さいお菓子に手を出す。
「どちらからで?」
「───どっちからでもあった気がするんですよね。シュウさんは察しが悪そうですが、こういった事には間違う人じゃないですし、私も隠す気がなかったですから」
「留美さんはそれでいいんですか?」
「あの人がそんな器用な生き方が出来ると思う?」
そういう人だから私も好きになった、と言ったらロマンがあるのかもしれないが、残念ながら私はこういった事に関しては論理とか理由付けとかではなく感覚で求めるタイプだったから上手く言葉には出来ない。
それに最初から負ける事が決まったような勝負でもあった。
だから振られた時もショックではなかったし、逆にもっと早くても良かったのにと思ったくらいであった。
「じゃあ、その……」
「───簡単ですよ。私が甘えたがりなだけですよ」
本当ならすっぱり諦めるべきなのだろうとは私も思っている。
いっその事、熱田神社の巫女も止め、それこそ新しい人生をスタートするべきであったのかもしれないし、それとも巫女だけして違う人を見るべきであったのかもしれない。
ただ、これは予想外に自分の器が小さかったというのか。
今までの人生で色んな人と出会ったし、格好いい人も偶には出会ったことがあるし、純粋にいい人だなと思った事もあった。
きっとこれからも色んな人と出会うことになって自分が変わるかもしれないという可能性がある事も理解しているのだ。
でも……とりあえず現時点で振られたというのに何故か一切捨てる気が起きないのだ。
自分の事なのに普通に驚きましたねー……
いや普通に不味いです、と思って諦めようと試行錯誤したものである。
すると不思議な事に最終的には結局、彼の事を考えているのだから。
ストーカー気質なのでしょうか? と思い、素振りで煩悩退散と頭の中で繰り返したが何も変わらなかった。
そして色々として、振られて一週間経った頃くらいだっただろうか。
そこまで行くと逆に清々しくなって、だから彼と一対一で話し合う場を整えてもらい
「これからもお慕いして
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