連続虚空爆破(グラビトン)事件
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入れる。
「白井さん?避難誘導完了しました。」
『初春!今すぐそこをはなれなさい!!』
「え?」
『これまでの犯行での人的被害は神谷さん以外全員ジャッジメントですの!犯人の狙いは現場付近のジャッジメント!!今回は初春!あなたですのよ!!!』
テレポートを断続的に使ってこちらに急行しているのだろう。とぎれとぎれになっている白井の言葉に初春の思考は今度こそ停止した。さすがに自分が爆弾に狙われるという状況には頭の整理が追いつかなかった。
「お姉ちゃーーん!」
そこに小さな女の子が笑顔で駆け寄ってくる。その少女は以前鞄をなくして捜していた時、他のジャッジメントがその子の鞄が見つけるまで初春が支部で一緒にいた子であり顔見知りである。その手には少女が抱きかかえて持つサイズのカエルのぬいぐるみ。場所が場所ではあるが、それを抜きにすれば微笑ましい光景に思考が止まっていた初春の頬も緩む。犯人の手口は頭から抜け落ちていた。
「眼鏡をかけたお兄ちゃんがお姉ちゃんに渡してって!はい!」
「そっかあ。ありがとうね。」
お使いをこなしたような感覚なのだろう。満面の笑みでカエルの人形を手渡してくる少女から初春が人形を受け取ろうとしたとき、カエルの人形が中心に向かって引き込まれるように歪んだ。
「っつ…………!!!」
まぎれもなく情報として聞いていたグラビトン事件の爆弾の爆発直前の状態。とっさに人形を少女の手から取り上げ、なるべく遠くに投げる。その間に見えた御坂と松野、そしてもう1人の知らない男の人に叫ぶ。
「逃げてください!!あれが爆弾です!!!」
この距離からの爆発ではあまり意味はないかもしれないが、せめてもの抵抗で少女に覆いかぶさるようにして少女をかばい、きつく目を閉じた。
御坂がその場面に遭遇できたのは、上条という青年が連れていた少女が外にいないことをしり、彼と一緒に探しに来ていたからだった。途中で松野にも事情を説明して一緒に探し、ようやくその少女を見つけて声をかけようとしたのは、少女と一緒にいた初春が人形を投げて叫ぶ時だった。
「逃げてください!!あれが爆弾です!!!」
その時には御坂は人形と2人の間に入り込んでいた。遠目にも人形が歪むのが確認できたために急いで間に割り込んだのだ。
(超電磁で人形ごと……!!)
そこまでは完璧だった。後はコインを撃ち出すだけだった。そこに来て御坂は致命的なミスを犯す。
「しまっ……!!!」
ポケットから取り出したコインが手からこぼれ落ちる。拾っていては間に合わない。ポケットからもう1枚コインを取り出す時間もない。松野は爆弾は御坂に任せて初春をかばおうと初春に前にいるために能力を使うことは頭になく、今からでは間に合わない。御
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