連続虚空爆破(グラビトン)事件
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たのだろう。肩で息をしている。そして、無事そうな蓮を見つけて松野は片手を上げ、佐天は駆け寄ってくる。
「2人とも、心配かけた。大丈夫だから……」
「神谷ー!!!」
「って佐天!?うわっ!!」
そんな2人を安心させようと声をかけようとしたとき、急に佐天が蓮に抱き付く。突然のことに驚きつつも痛みに顔をしかめ、何とか耐えて蓮は佐天を受け止めるが、そこで佐天の力いっぱいの拳が蓮の胸を打った。大した力はこもっていないものの、けがの状況もあり突然の激痛にむせる蓮。
「げほっ……!佐天てめ、けが人になんてこと……!!」
「心配させないでよ、バカ!!!!神谷が死んじゃったらどうしようって……あたし……あたし……!!」
涙目になっている佐天はそのまま拳でなんどもなんども蓮の胸を軽く力なくたたき続ける。蓮にはその拳を、力ない拳を受け止め続けることしかできない。その力ない拳が止まり、蓮の胸に顔を埋めて佐天が泣き出してしまっても蓮は動けない。佐天がどれだけ自分のことを考えて心配してくれていたか分かったから。
「佐天……」
「……約束して。」
「約束?」
「もう自分を犠牲にしてまで人を助けようとしないって。約束して……!!」
泣き顔ながらも顔を上げた佐天の目は真剣。そんな佐天を見て蓮は笑顔になる。純粋に嬉しかったのだ。佐天が、初春が、みんながここまで自分のことを心配してくれたことが。だからこそこれ以上みんなに不安も心配もかけたくなかった。優しい笑顔を佐天に向けた蓮はうなづく。
「うん、約束するよ。絶対にもう佐天の心配に思うようなことはしないから。だから大丈夫。」
「約束だからね。絶対だよ。」
「うん、絶対。」
「よかった……!!……ごめん、もうちょっとこのまま……うわああああん!!」
蓮の言葉に安心したのか、また泣きそうな顔をした佐天は蓮の胸に顔を埋めて泣き出す。
「ったく……2人していきなり泣き顔みせてきやがって……」
佐天を安心させてやるように頭をなでてやっていた蓮がそう呟いて初春の方を見ると、初春は視線をそらす。その頬は少し赤くなっていた。その後、泣き止んでから周りの4人に生暖かいめで見られていたことに気づいた佐天が顔を赤くして蓮から離れるまで蓮は佐天を安心させ続けた。
「それでだ。俺の遭った事件は例のグラビトン事件ってことでいいんだよな、初春?」
「はい。グラビトン事件は最初の犠牲者を皮切りにその威力、範囲を拡大し続けています。いまだ犯人のめどはたっていませんけど……」
「そっか……」
佐天が離れ、ようやく落ち着いたところでの蓮の質問に初春がそう答える。グラビトン事件はいまだに拡大中。その一連の事件には関連性が全くなく、手掛かりは一向に掴めないままだった。
「あれ?
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