九校戦編
第8話 選抜
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だというところを、つついてこられる。
「要するに」
それまでだまって聞いていた、十文字先輩が端から一通り見回して、
「司波の技能がどの程度のものか分からない点が問題になっていると理解したが、もしそうであるならば、実際に確かめてみるのが一番だろう」
広い室内が静まりかえった。CADは、起動式の読込を円滑化・高速化するためのチューニング機能を備えていて、それだけに使用者の精神に対する影響力が強いから、下手なチューニングをすると、精神的ダメージをこうむることになる。その為、最新・高機能なCADほど精確緻密な調整が必要とされるから、誰もがだまっていた方法だ。
多少のやりとりはあったが、桐原先輩の立候補によって、達也の腕を見るという話がでてくるところまではよかった。そこからは、上級生のみが残ってみることになったというか、技術スタッフは1年生からの候補は達也だけだから、1年生の競技選手はここで解散することになった。
一応は、部長と一緒に部室によるつもりだったので、同じく操弾射撃部にいる滝川和実と一緒に部室へ向かうことになった。こちらからはあたりさわりなく、
「滝川、お互いに競技選手として選ばれてよかったな」
「そうね。ところで、あたしはスピード・シューティングできまりそうだけど、陸名はどうなの?」
同学年での呼び捨てなのは、部活での慣習だ。1科生の男子部員は、僕から言われるのはしぶしぶと受けている感じもあるが、女子部員は意外とそうでもない。競技者としてレギュラー争いをするのか、しないのかという違いもあるのだろう。答えた内容は、
「スピード・シューティングっていいたいところだけど、森崎次第かな。他にもあるけれど」
「森崎ね。自分より下だと思ったら、徹底的に見下す感じだもんね」
「逆に言うと、2科生の僕が、同じ競技で彼より上の順位になってしまうと、森崎が確実にでるモノリス・コードに、影響を与える恐れがあるからね」
森崎のことはそこで話は終わって、
「ところで、他って?」
「クリムゾン・プリンスやカーディナル・ジョージって知っている?」
一瞬、滝川の顔が考えるようになったが、思い浮かんだのか
「……クリムゾン・プリンスは一条家のってわかるけど、カーディナル・ジョージって、あの加重系統プラスのカーディナル(基本)・コードを発見した人?」
「そう。彼の発表は、同い年で、同じ学年だったから、覚えていた。彼が、もしスピード・シューティングに出る実力があるのなら、不可視の弾丸『インビジブル・ブリット』を使うだろうから、違う競技を選択させてもらうだろうね」
「クリムゾン・プリンスは?」
「多分、発散系魔法である一条家の『爆裂』を使うから、アイス・ピラーズ・ブレイクに出場
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