第三十五話 氷炎の狼
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
。カリムさんは初めてだろうし、兄ちゃんも久しぶりだろうと思ってさ」
そして焼き肉屋に着いた一行。
因みに焼き肉屋に行こうとした一行を止めようとしたシャッハは現在ブイモン達に足止めされていた。
カリム「私、こういう店は初めてです」
サングラス等で変装しているカリムにフェイトも笑いながら頷いた。
大輔が注文を頼み、どんどん肉と野菜が運ばれてきた。
一輝「…………」
フェイト「一輝さん?」
カリム「放心してます…」
一輝「俺は…?」
大輔「兄ちゃん?」
一輝「俺は死んだのか…?」
フェイト「はい?」
大輔「そういや兄ちゃんって施設暮らしだったよな…。おーい兄ちゃーん」
一輝「あ、な、何だ?」
大輔「肉焼けたから早く食えよ」
フェイト「頂きます」
こうして焼き肉を食べ始める一行。
大輔「美味い!!」
カリム「美味しいです。美味し過ぎてついつい食べてしまいます」
一輝「こんなに食うのは、父さん達が生きていた頃以来だな……それにしても」
大輔「ん?」
一輝「あんなに小さかったお前がこんなに立派になるとは思わなかった。」
あんなに小さくてジュンや自分の後ろにいた子供が、今や一人前の男となり、守る側に立ったことを一輝は誇らしく思う。
一輝「エリオとキャロも随分とお前達を慕っているようだし、もう立派な親だな」
大輔「…ありがと、俺さ。守る側に、兄ちゃんと同じ立場になって分かったことがあるんだ」
一輝「?」
大輔「守るって凄い大変なことなんだって。昔チビだった俺は、姉ちゃんや兄ちゃんが俺を守ろうとしてくれたのを、どこか鬱陶しいと思ってた。過保護だって…でも、フェイト達に会って、あの時の姉ちゃん達と似たような立場になってようやく分かったんだ。姉ちゃんも兄ちゃんも、この世界に来る前の俺よりも小さかったのに。見守ってくれたり、俺のために出来る精一杯をしてくれたんだって。」
一輝「大輔…」
大輔「ありがとう兄ちゃん」
一輝「礼を言うのは寧ろ俺の方だ大輔。家族を失って施設暮らしになった時、俺を支えてくれたのは両親とお前達と過ごした思い出だった。そして今でも俺はお前に支えられている。」
大輔「………」
一輝「これからも見守らせてもらうさ。お前達が幸せになる未来をこの目で見届けるまでは死ねないからな」
フェイト「一輝さんだってカリムさんの傍にいてあげないと」
カリム「…………」
一輝「俺が?」
大輔「カリムさんが頑張れるのは、兄ちゃんがいてくれるからなんだよ。」
赤面するカリムに疑問符を浮かべる一輝。
二人がくっつくのは、まだまだ先になりそうだ。
といっても、カリムの後継者が現れるまでは結婚もお付
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ