暁 〜小説投稿サイト〜
流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
37 何処から見るのか
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のじゃないけどね」
「...そうね。ごめんなさい」

アイリスは申し訳なさそうにエレベーターに担架を乗せ、再びPCの画面を見た。
研究施設並の演算装置に個人向けマシンとしては最強レベルのMac Proを最大構成にカスタムしたもの25台を並列コンピューティングし、HP ENVY PHOENIXやiMacなどのハイスペックマシンがいくつも用意され、大型のL字型の机にモニターアームで大量のモニターが広げられている。

「...確かに...まだ終わってない」

アイリスはそのうちの2つをじっと見つめていた。
片方には「No Signal」と「Week」が交互に表示されるレーダーのようなものが、もう片方には衛星からのリアルタイム映像が映されていた。

「後は1人でいいわ」

ハートレスはメリーの乗った担架とともにエレベーターで地上へと向かう。
しかしここに残されても、アイリスに出来ることは何も無かった。
ゆっくりといつもハートレスが作業する際に座っているであろう椅子に座る。

「もうすぐ...大丈夫よね?」

レーダーに反応が微弱ながら検知されるということは妨害電波の圏外に近いということだ。
だがまだ作戦は終わっていないのだ、完全に逃げ切るまでは。
先程からずっと上空からの映像で見ていたが、全く先が予想出来なかった。
アイリスは両手を重ね、祈りを捧げるようにモニターを見つめた。

「...」

モニターの先では高速道路でスターダストとなった彩斗がゆっくりと倒れたジャミンカーの変身者の方へ向かっていた。
一見平気そうな顔をしている上、その歩き方からは思わず警戒心を抱かせる威圧感が放たれている。
だが走らずに歩くというのは余裕を表しているのではなく、走れない程にダメージを受けているのではないかとアイリスは不安になってしまう。
本来なら今にも倒れるのではないかと目を背けたくなる。
しかし背けられなかった。
いつもの彩斗とは違った凛々しさと力強さ、そしてある種の美しさすら感じさせる姿は目を奪うには十分過ぎるものだった。
正体を知っていなければ、法や規範に囚われずに悪と戦う電波人間に見える。
しかしあの屈強なスーツとバイザーを纏っているのが彩斗だと知っていれば、それだけでは片付けることが出来ない。
数々の苦痛や悲劇を乗り越え、心に癒えない深い傷を抱えながらも立ち上がった。
たとえ、いつこの巨大な力に溺れて自分を失うか分からない不安があっても。
それを思えば、あの姿が凛々しく、そして儚く見えない者はそう多くはないだろう。
それは涙が出てもおかしくないのに、アイリスは涙が出ない機械じかけの自分の体を呪ってしまう程だった。

「...?」

アイリスは不意に聞こえた警告音の方を向いた。
衛星のコンソー
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