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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
37 何処から見るのか
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とでも呼ぶにふさわしいことが起こった。
だが運が良かっただけではなく、彩斗の知能、身体能力が実現させた部分が大きい。
そしてここまでうまく行っている以上、それで喜んでいられない。
計画はまだ終わっていないのだ。

「測定を始めるわよ」
「...」

アイリスはPCのEnterキーを押した。
今回の作戦はイレギュラーだらけだった。
EMPを含めた彩斗が持ちだした武器もさることながら、この実験器具も本来の用途ではなく、プログラムを書き換えて無理やり転用している。
何かプログラムの面で不具合があったり、機器がその用途に耐えられなければ、使っている彩斗やメリーも危険だ。
ハートレスの焦りは頂点に近づいていき、爪を噛んだ。

「...まだ!?」
「落ち着いて!!...出たわ!」
「!?」

思わず声を荒らげるハートレスを落ち着かせながら、PCの画面を確認する。
アイリスも驚いていた。
ハートレスがここまで冷静さを失っている姿がこの2日間で全く想像出来なかった。
それに釣られ、アイリスも自然と声が大きくなる。

「ダークチップ侵食率...0.4%!!0.39%...危険域を大きく下回っているわ!!...安心して...」
「あぁ...良かった...」

ハートレスはその場に崩れ落ちた。
アイリスはその光景が異様にも微笑ましくも見えた。
ハートレスがメリーの手を握って、心から喜んでいる。

「...良かった...」

一言で例えるなら迷子になった自分の子どもと無事に再会出来た親子のようだった。
アイリスには入り込む隙間が無いと瞬時に理解出来てしまう程に強固な壁だった。
しかしここで無理に入り込むことなく、引き下がった。

「バイタルサインも安定、血圧は最高118、最低67、体温36.3℃、脳波から予想される心理状態も不安や恐怖のレベルは若干高いけど、ダークチップによる攻撃性は無いわ」
「...ありがとう...命に別条はないのね?」
「ええ。でも酷い疲労と栄養失調の傾向があるわ。上のベッドに移して、栄養剤の点滴をしましょう」
「...分かった。手を貸して」
「ええ」

ハートレスとアイリスはメリーを担架に乗せる。
だがアイリスは自然とハートレスの顔とメリーの顔を交互に見ていた。

「何?」
「...いや...あなたもそんな顔するんだと思って。本当に...」

「母親みたいって言いたいのね?」

「!?...」

アイリスが言葉を詰まらせたところで、ハートレスは何となく察した。
ハートレスはため息をつく。

「残念なことにそんなこと言われる程、立派な人間じゃないわ。それに...この場で言うことでもないでしょう?まだ作戦は終わってない。ちょっと安心して脱力した私が言えたも
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