【ゼロの使い魔】編
056 それから…
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。愛する女性達と結ばれたし、生まれた宝≠フ数は両手では数えきれない。良いこともあれば、悪い事も有った。……例えば出会い≠フ分だけ別れ≠煬o験した。……ただ、只の別れ≠ネらどれだけ良かっただろうか──
「ルイズ、バレッタ、ユーノ…まだまだそっち≠ノ逝けなさそうだ…」
俺がそれ≠ノ気付いたのは30歳を過ぎた頃だったか。……俺の肉体は老化≠しないようで、80年経っても俺は健常な身体で肌──もとい肉体は成長≠ェ終わってしまったであろう、20〜21歳程度のままで止まっている。
……それ≠ノ気付いた時点で、あっち──地球側で結婚する事は諦めた。両親の最後を看取ったら、直ぐ様ハルケギニアに居を移した。
閑話休題。
(そういえば、仙術をちゃんと修めた頃だったか?)
……それがどういう意味を持っているかは判らないが、外見の年齢はルイズ達に合わせて、魔術やらスキルで度々変化させていた。……それでも、軽く先にも述べたが往々にして別れ≠ニいうものはあり、何回死のう≠ニ思ったかは数えるのも億劫だった。……だが──
「……死にたくないなぁ…」
無意識だった。誰に聞かせるでも無く当たり前の事を溢していた。だが思うだけで…考えるだけで、自ら命を絶つ≠ニいう選択肢を採る事は無かった。死にたくない=A生きていたい=B……いくら生きる価値の無いと断ぜられる様な罪人の生命を終わらせて懺悔に暮れる毎日を送ろうと…。……いくらベッドの上で力無く落ちていく愛する妻達を看取ろうと…。生≠ヨと、俺の精神は浅ましく縋り付いていて、全然…これっぽっちもそこ≠ゥら剥がれる気配を見せない。
……それに今に思えば、なまじっか死後の世界≠竡に逝く人間の様を知っているのも逆効果だったのかもしれない。同じく転生者である同輩──ユーノの様に、徐々に死≠ニ云う新たなる旅立ちを迎えられるなら話はまた別だろうが、誰が自ら望んであの仄昏い空間に行きたがるだろうか。……少なくとも、俺にその様な勇気は持てなかった。
「……寝るか」
――「それでは1名様、□□□へとご案内〜♪」
空耳だろうそんな胡散臭さ≠ェ溢れ、どことなく喜色ばんでいる女性の声を聞きながら俺は意識を深淵へと落として往った。……それがこの世界──ハルケギニアとの、永遠の別れになるとは須臾ほども思わずに──
SIDE END
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