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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第十一話 罪を負う者
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エングラム侯と手を組んだ。不問にしたのではない、ブラウンシュバイク、リッテンハイム両家を潰した後ローエングラム侯に皇帝弑逆の罪に問うつもりだ。侯は失脚するだろう。帝国は一つ、覇者も一人、当然の事だな」
ヴァレンシュタインが話し終わると異様な沈黙が落ちた。皆が無言で視線を交わす中、怯えた様な幼い声が聞こえた。エルウィン・ヨーゼフ……。
「宰相」
「陛下」
「その女は御爺様を殺したのか」
幼児は恐ろしい物を見るかのようにグリューネワルト伯爵夫人を見ていた。その姿に伯爵夫人が縋る様な視線で公を見た。リヒテンラーデ公が口籠る、ヴァレンシュタインが笑い声を上げた。そして皇帝に視線を向けた。冷え切った視線だ。
「エルウィン・ヨーゼフ、お前にここに居ろとは言ったが喋って良いとは言っていない。黙れ、口を開くな、死にたくなかったらな」
「無礼だろう! ヴァレンシュタイン!」
リヒテンラーデ公が立ち上がって怒鳴った。それを見てヴァレンシュタインがまた笑った。
「ならば答えられよ。真実か偽りか、どちらを選ぶ。真実を告げれば伯爵夫人が死ぬ。伯爵夫人が死ねばローエングラム、リヒテンラーデ連合は終わりだ。偽れば皇帝に対し先帝暗殺の真実を欺いたとして公が罪を背負う事になる。さあ、どちらを選ぶ?」
「……」
「それともエルウィン・ヨーゼフを殺すか? 傀儡が余計な事に気付いたと。それならば連合の継続は可能だ。仲良く皇帝殺しの罪を背負うと良い」
リヒテンラーデ公の身体が小刻みに震えた。
「分かったか、エルウィン・ヨーゼフ。皇帝という地位がいかに危険か。お前の不用意な一言で人が死ぬ。場合によってはお前が死ぬ事になる。分かったら黙って聞いている事だ」
皇帝が震えながら頷いた。冷徹、そう思った。ヴァレンシュタインは徹頭徹尾、エルウィン・ヨーゼフを皇帝として扱っている。幼児としても傀儡としても扱っていない。この中でもっともエルウィン・ヨーゼフに誠実なのはヴァレンシュタインだと思った。何を考えている?
「伯爵夫人、自殺したいとお考えかな? だがその時は私はローエングラム侯に全てを話す、私が貴女を殺したなどと思われては心外だからな。自分のために貴女が人殺しをしたと知ったら侯は、キルヒアイス提督は如何思うか。精神を保てるかな?」
「……」
伯爵夫人は首が折れそうなくらい俯いている、震えている。それにしてもヴァレンシュタインは容赦が無い、まるで包囲して殲滅する様な話し方だ。いや、これは戦いか、戦いなのか。オフレッサーに視線を向けた、オフレッサーも厳しい表情で皆を見ている。
リヒテンラーデ公が力無く椅子に座った。それを見てヴァレンシュタインが冷たい笑みを浮かべた。
「先帝陛下暗殺にはリヒテンラーデ公にも責任が有る」
「どういう意味だ。私は無関係
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