第一章
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急に思わせぶりな笑みになる麻里であった。
「それだと勝っても負けても私が得するけれど」
「得!?」
またしても廉にとってはわからない言葉だった。怪訝な顔になり顔も顰めさせるのだった。
「何だよ、得って」
「話はすぐにわかるわ。それでいいのよね」
「ああ」
念を押してきた麻里に頷いて答える。
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