抉りて殺せ (2)
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たちが現れました。
目の前の状況に頭がついていけません。
そんな私たちを嘲笑うかのように、少女たちはクスクスと声を漏らしては、こちらを見つめていました。
「えぇ〜。ヤダヤダヤダぁ。男がいな〜い!」
「ワガママ言わないの。お先に、いっただきぃ!」
少女たちの姿が杭のようなものに変わり、その内の1つが私の腹部に突き刺さりました。
息をするのも忘れるほどの痛みにその場でうずくまり、少女たちの声だけが聞こえました。
「じゃあ、こっちの膝をいただきま〜すっ!」
「なんで私が最後なのよ! 悔しい〜!」
痛みで目が霞む...。朱志香...朱志香は無事...?
ああ...。もう、意識...が......。
─使用人室─
俺たちが別れてから何時間経ったんだろうか。絵羽叔母さんも、譲治兄貴も、愛する人を失った悲しみから抜け出せないでいる。叔母さんは、旦那である秀吉叔父さんを。兄貴は、紗音ちゃんを。俺だって、親父と霧江さんを失った。
壁に掛けられた時計の音だけが、部屋の中に響く。長い沈黙から抜け出したくて、俺は碑文について話すことにした。
じい様の黄金の在処を示すものであることは分かりきっている。思い返してみれば、ベアトリーチェの手紙に「ゲームを止めたければ碑文の謎を解け」と書いてあった。そのことを告げると、絵羽叔母さんも、譲治兄貴も乗り気になったようだった。
まずは、『懐かしき、故郷を貫く鮎の川』か...。
「なあ、絵羽叔母さん。じい様の故郷って?」
「小田原のはずよ。でも、小田原の川というわけではないみたい。あの辺の川は全て調べたけど、何も得られなかったわ」
...となると、小田原ではないと考えるのが妥当か。だけど、懐かしき故郷ってのが分からないことには、進みようがない。
「そうだ、思い出した。紗音から聞いたことがある。お爺様は、ビンロウをよく好んで嗜まれているって」
「ビンロウ......?」
「木の実のガムみたいなものさ。ただ、噛んだ時に出た汁は吐き出さないとお腹を壊すらしい。確か...ビンロウは台湾が有名だけど...」
台湾!? おいおい。今から外国へ、なんて出来るわけないだろ。というか、この島から出ることも出来ないのにどうやって謎を解けってんだ! ......いや、待てよ...。もしかして...。
「隠し黄金は、この島のどこかにあるってことか!?」
「うん。それは、僕らも思っていたことなんだ。でも、それが分かったところで『鮎の川』っていうのがよく分からない」
「いや。......分かる奴がいるかもしれねえぜ」
そう言って、受話器を取る。あいつなら知ってい
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