抉りて殺せ (2)
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いと思う」
「私は嫌だぜ。この中に、もしかしたら父さんと嘉音くんを殺した人間がいるかもしれないんだ。...母さんとなら、一緒に行動しても...」
結局、話は振り出しに戻ったり、決まりそうになったり、また振り出しに戻ったり......。
定かではないにしろ、最低でも30分は話し合いが続いた。
結論から言うと、貴賓室に3人。使用人室に3人。貴賓室には夏妃、朱志香、楼座。使用人室には絵羽、譲治、戦人。
このように決まった。
◇◆◇◆◇◆◇◆
「じゃあ、真里亞。何かあったら、すぐに電話するのよ」
「うー!」
金蔵の書斎、貴賓室、使用人室には内線用の電話がある。俺が何かしようとしたら、すぐに連絡するようにと真里亞にはしつこく言い聞かせていた。
マスターキーは俺が持ち、書斎の鍵は戦人に託した。オートロックの書斎を出るのは自殺行為だな。
出来なくはないが、ノックスとヴァン・ダインに引っ掛かるからなあ。ロジックエラーは避けたい。
「ちゃんと鍵は掛けとけよ。ああ...。ベアトリーチェには、そんな物関係無かったな。な? 真里亞」
「うー! ベアトリーチェは黄金の蝶になってドアの隙間から入って来るんだよ。だから、鍵なんてニンゲンが作り出した偽りの結界なんて意味無いんだよ! きっひひひひひひひひひ...!」
「ま、そういうことだ。用心はしておけ」
真里亞の不気味な笑い声も俺の言動にも対抗する気力を失ったらしく、ドアの向こうの奴らからは憐れみを含めた眼差しを向けられた。
ドアが閉まるのと同時に、ガチャリと自動で鍵が掛かる。金蔵が特別に造らせたものだ。ドアノブには蠍のまじないがかけられている。魔除けの魔法陣だ。ベアトリーチェは、この部屋には入れない。
ふと、手元に目をやると真里亞が俺の袖を引いているのに気付く。
「どうした?」
「狼さん。ママは、大丈夫だよね?」
「さあなぁ...。ベアトリーチェは気まぐれだからなあ。まあ、どのみち黄金郷で会えるだろ」
「うー! 黄金郷で皆に会える!?」
「もちろん」
真里亞は、黄金郷がどんな場所なのか知っているのだろうか。
???? 全ての死者を蘇らせ、失った愛すらも蘇らせる。そんな場所をなんと呼ぶのか...。真里亞は“黄金郷”と答えるのだろうな。
間違いではない。だから、俺でも否定は出来ない。
「なあ、真里亞。魔法陣当てクイズでもするか?」
「うー! するー!」
─貴賓室─
使用人たちの間で、怪談話によく持ち上がる部屋の1つ。そこには、私と、朱志香、楼座の3人の姿。
朱志香はじっと人形を見つめ、楼座さんは、
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