抉りて殺せ (2)
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真里亞、朱志香の監視下にあった。】
【絵羽は楼座、夏妃、真里亞、朱志香の監視下にあった。】
【夏妃は楼座、絵羽、真里亞、朱志香の監視下にあった。】
【真里亞は楼座、絵羽、夏妃、朱志香の監視下にあった。】
ああ、あともう1つ。
犯人Xなる人間は存在しないが、
【もし居たとしても犯行は不可能。】」
「おいおい......何の冗談だよ、そりゃあ...」
おー...。どんどん顔が青くなっていくなあ。そりゃそうだ。事実上、誰にも犯行は不可能と【赤】で宣言しているのだから。
「さあ、切り返してみろよ! 出来るもんならなぁ! 右代宮 戦人ああああああぁぁぁっ!!」
◇◆◇◆◇◆◇◆
ホールへ戻り事の事情を説明すると、絵羽は限界を突破したらしく泣き崩れてしまった。それに寄り添い、頭を撫でる真里亞が可愛い。
それからは言い争いだ。
皆で固まって行動するか、個別に分かれて行動するか。俺は隔離決定らしいが。更には、俺に付いて行くと駄々をこねる真里亞も参戦する。
さて、ここらで報告しておかないとな。
「はい、注目ー! これ、なぁんだ?」
俺の手にキラリと光るのは、マスターキーと金蔵の部屋の鍵。無論、全員が声を失った。
「さっき、源次の懐から拝借した。これで俺を隔離したらいい。そうだな...金蔵の書斎とかどうだ? そこなら真里亞も安全だし、俺とは離れられるし、一石二鳥だろ?」
「真里亞、狼さんと一緒にいられるの!?」
「だ、駄目よ! 真里亞はママといなさい!」
「うー! 真里亞、狼さんとがいい! うー。うーうーうーッ!」
「その、うーうー言うのをやめなさいって、いつも言ってるでしょ!」
あ、やばい。
そう思った後には、俺の頬が叩かれていた。
痛みはない。楼座だって手加減しているのだ。だが、いい感じでスナップの効いた平手打ちは、いい音がした。
楼座は、その音といつもと違う手応えに我に返ったようだ。
「あっ......」
「大丈夫だ。
ーー心配なのは分かる。だが、真里亞の意見も聞いてやるべきだ。じゃないと、すれ違ったままだぞ」
「...............真里亞に、何かあったら許さないわよ。死んでも死に切れないほど殺してやるから」
「心得た」
唇を噛み、俺を睨み付けながら言う。それは、楼座なりの“躾”を見られたことへのものではなく、娘に親よりも信頼されている俺に対しての憎しみに近いものがある。
それにしても...“死んでも死に切れないほど”か。そいつは楽しみだ、とは口が裂けても言うまい。
「じゃあ、お前らはどうする?」
「僕は皆で固まって行動した方がい
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