INTO
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エンヴィーの自身も飲まれたことによる本物の焦りの口調で告げられた事実は、私の脳に直接、無数の針が刺しこまれたような感覚をもたらした。
ここで死を待つしか無いと言うことはもうマスタングさん、ホークアイさんにマスタングさんの仲間たちに会えないことを意味する。そんなのは、嫌だ。
エドワード君とリン君は傍からは懇願するようにエンヴィーに食ってかかって行っている。
「嘘だ!!」
「そんなことがあってたまるか!!」
二人の顔には一様に大切な人にもう会えない時の悲しい表情が張り付いている。きっと私もあんな顔をしているんだろうな。
しかしそんな中、エドワード君は思考の立て直しに成功したようで、エンヴィーに質問を投げかけた。
この時には私も何とか持ち直し、エンヴィーの言葉を聞き漏らさんとした。
「そもそもお前のお父様って誰だ?ブラッドレイ大総統か?」
それを聞いたエンヴィーは心底馬鹿にするような態度をとった。
「は!ブラッドレイィ? あんなガキがお父様な訳あるか!」
ブラッドレイ大総統を子供扱い。大総統は人造人間の中ではかなり下の方なのだろうか。だとしたら人造人間はかなり層のある組織という見方も出てくる。
ブラッドレイ大総統がうじゃうじゃ出てくるのを想像してしまって思わず目眩がしてしまった。
そんなことを考えているとエンヴィーからブラッドレイ大総統が人造人間であることを得たエドワード君が思考整理を始めた。
「…最悪だ。第五研究所、生命を使った賢者の石、人造人間、大総統もと言うことはイシュヴァール戦も絡んでるな?」
イシュヴァールと聞いたとたん、エンヴィーの顔が嬉しそうに大きく歪んだ。
「イシュヴァール! あれは見事な内乱だったね!覚えてるかい? 内乱のきっかけを!」
「もちろん、忘れるわけがありません。軍の将校がイシュヴァールの子を誤って射殺したのがきっかけです」
忘れる訳が無い。罪を犯したものは現場に戻ってくるというが、それと同じだ。私達が、私が自らの罪を忘れることはけして無い。
エンヴィーは私の言葉に狂気すら窺わせる笑顔を見せた。
「そう! このエンヴィーが!子供を撃ち殺した張本人!!」
……今、エンヴィーは何て言った? イシュヴァールの原因は、自分と言った?
エンヴィーが続けて何か言っているが全然耳に入ってこない。ただ、下衆な事を言っているというのは不思議と理解できた。
「てめぇかーーーーーー!!!」
エドワード君の絶叫と大きな殴打音で頭に色が帰ってきた。
見るとエドワード君がエンヴィーをぶん殴った姿勢で固まっていた。すぐにそれの異常に気づく。エンヴィーは血の海に生えている遺跡の破片のようなものに腰掛けているに過ぎない。それなのにエドワード君の渾身の一撃をび
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